2012年1月18日 (水)

citizenM hotel Amsterdam City

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citizenM hotel Amsterdam City

Prinses Irenestraat 30, Zuideramstel, 1077 WX アムステルダム

アムステルダムでは二つのホテルに宿泊した。一つは駅近で快適、でも部屋はおもしろ味の無いホテル。もう一つは立地は少々不便で、部屋はお洒落だが結構使いにくいホテル。

citizenM hotel Amsterdam Cityは後者のホテルだ。場所はアムステルダム ザウド駅から徒歩約5分。トラムならPrinses Irenestraat停留所から130m。ホテルの周囲にはほぼ何もない、

スキポール空港まではザウド駅から10分弱と便利だが、街の中心にはやや遠く観光には少し不便だと感じた。と言っても、ゴッホ美術館や国立美術館のあるミュージアム広場までトラムを利用して10分で行けるのだから、これがパリやロンドンなら十分便利と言える範囲ではある。アムステルダムの観光地はほぼ徒歩圏内で収まっているため、これでも不便だと感じた。

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部屋はドアから窓へと長細く続いており、入口入ってすぐに水周り全てがあり、中心に小さな机とサイドテーブル、一番奥にベッドがある。一番上の写真と2番目の写真をあわせると、この部屋の全てということになる。

斬新なデザインでお洒落な部屋だが、かなり狭い。二人だと触れ違うこともできない。荷物も私たちは小さかったので大丈夫だったが、大き目のスーツケースの人は広げられないと思う。

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部屋に二つある筒状のはガラスは、一つはシャワーブース。

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もう一つはトイレになっている。ガラスの半分は曇りガラスになっているが、一緒に泊まる相手によっては影が映るので気になると思う。一応、カーテンで水周りを仕切れるようにはなっている。

洗面台は小さく顔を洗えばすぐに水が飛び散ってしまいそう。また、洗面台横に小さなガラス板が申し訳程度に設置されているだけなので、何かと水周りで使用するものが多い女性には使い辛い。

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円筒状のブース上の照明は赤黄色緑と色が変わって行くようになっており、曇りガラスに反射してぼうっと光る。おもしろい。

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ロビーはカラフルでスタイリッシュ。

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いろいろな椅子のデザインが堪能できる。

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これはエレベーター前のイス。

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子供が遊ぶスペースは可愛い。でも子供向きのホテルじゃない。

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全体的にデザイン重視なので、快適に過ごせるとはいいにくい。デザイナーズホテルは多かれ少なかれ不便なものなので、ある程度は覚悟して泊まるべき。部屋が随分狭いのには驚いたが、その分工夫されたおもしろい造りになっていた。予約サイトの利用者評価が高いのも頷ける。建築やインテリアに興味のある人には楽しめるホテル。便利さ・快適さが最重要ポイントの人は、中央駅付近で無難なホテルを探した方がいいだろう。

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2011年12月31日 (土)

旅行前・旅行後、楽しいのはどっち?(アムステルダム 新教会)

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アムステルダム中央駅から賑やかなダムラック通りを南へ下がるとダム広場に出る。広場の西側にはルネサンス様式の王宮が威容を誇り、中央では様々なパフォーマーが観光客を楽しませている。この広場の西北側に今回私達に大きな衝撃を与えることになった新教会がある。

新教会は名前に反して歴史は古く、15世紀の半ば頃にはほぼ完成していたようである。ユトレヒトの司教がアムステルダムに二つ目の教区教会を許可したのが1408年(そのため以前からあったものを旧教会、後にできたものを新教会と呼び分けている)。この頃はアムステルダムの繁栄が始まった時期にあたり、豊富な資金がこの教会建設を可能にしたと想像される。この教会では代々、王(女王)の戴冠式が行なわれており、現在のベアトリクス女王もここで即位している。2002年には皇太子の結婚式が行なわれ、この教会の格式の高さが伺える。しかし、実際に入ってみると想像していた教会とは程遠いものだった。

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新教会の内部はかなり雑然としていた。ウェディングドレスと思しきものがごちゃごちゃと展示されている。通常舞台裏に隠されているような台なども側廊に放置されていおり、美術館の展示準備中に足を踏み入れてしまったとうな感じだった。そんな状態だったから建築自体あまりよく見ることができず、雰囲気もよくない。しかも、そんな状態でありながら入場料は10ユーロとかなり高い。他の国で10ユーロ払えば、どれほどの質と量の美術品を見られるかということを考えるとこれは驚くべき金額だ。

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ガイドブックをよく読んで見ると、この新教会はイベント会場として使用されているらしく、イベント開催時だけ入場でき、金額も催しによって異なるとのことだった。また、今回高価だった(内容に対して)入場料もミュージアム・イヤーリーカルトというパスを持っていれば無料か割り引きを受けられたようだ。やはり、ガイドブックをちゃんと読んでそれなにりに計画をたてないとダメだなぁと反省する。

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毎回思うことではあるが、私も連れも旅の準備をすることが苦手だ。荷造りといった物理的な準備もそうだが、何処に行こうか何をしようかと計画を練ることも嫌いだ。その時間が一番楽しい時じゃないの?と人に問われ、そういうものかしらとふと考えた。

実は私は結構旅行前になると、マリッジブルーならぬトラベルブルーに陥ることが多い。本当にその行き先でよかったのか、家でぬくぬくしていた方がよかったんじゃないかとなんだか憂鬱な気持ちになってくる。エアの予約を取ってしまうまであんなに楽しみだったのに、この変わりようはナンなのか?自分でも不思議である。

沢木耕太郎が「旅の力」という本で、旅の準備は永遠の引き算をしているようだったと書いている。それは長く過酷になるであろう旅の持ち物の準備についての言葉ではあるが、なににつけ準備をするということは「永遠の引き算」なのではないだろうか。

私が準備が嫌いなのは生来の怠惰な性格故であることも確かだが、この「引き算」をすることが嫌なんじゃないかとも思う。エアを予約してしまうまで、私には色々な可能性があった。パリのパサージュでカフェオレを飲んでいる私も、クロアチアの国立公園でトレッキングをしている私も、ブダペストで温泉につかりながらチェスをしている私も、色んな私があり得た。その「沢山の可能性を持っている私」という状態が楽しいのである。だから、その中から一つに限定してしまった時点で憂鬱な気分が襲ってくる。あそこの方が良かったのでは、家でぬくぬくしていた方が幸せなのでは・・・と不安になってくる。

旅行の計画をきちんと立てるのが嫌いなことも、理由は同じだ。時間は限られているから、どこかに行けばどこかには行けなくなる。計画を立てることは、行けない所をどんどん引き算して行く過程でもある。

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こんな風に書くと物凄くマイナス思考に見えるが、こんな私も旅立ってしまえば結局楽しい。実は帰ってきてからも楽しい。旅行中に見たことや感じた疑問について、自分なりに調べて知識を増やして行くことは非常に楽しい。そういうことならもっとこういう所も見ておけば良かったと思うことも多々あるが、またいつか行ってみようと次のモチベーションへ繋がるので問題ない。そうやって次の旅行が決まるまで、いつまでもふわふわと旅をしている気分でいられる。だから私について言うならば、旅行前より旅行後の方が断然楽しい。

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さて、今年もいよいよ終わり。年末になって毎年思う。何故こんなに使ってないものがあるんだろう。昨年も断捨離したはずなのに。生活をして行くことにあまり沢山のものは必要ないとわかっているのに何故かどんどん増えていく。「引き算」が苦手な影響は日々の生活にも顕著に現れる。来年こそは断捨離元年になりますように・・・。

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2011年11月30日 (水)

心惹かれるショーウィンドウ(アムステルダム)

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旅先で見かけるショップのウィンドウは旅の楽しみの一つだ。その国の特産品も一目瞭然だし、季節によっては様々な行事にまつわるディスプレイも楽しめる。特にヨーロッパのショーウィンドウはお洒落なものが多い。アムステルダム中央駅から南、ダムラック通りとスパイス通りに挿まれた地域はカフェや土産物屋でいつも賑わっている。王宮や新教会のあるダム広場へ向かう途中に黄色い丸い物体の並ぶショーウィンドウを見かけた。

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覗いてみるとチーズだった。店一杯に同じ種類のチーズがずらりと並んでいる様子は圧巻。

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アムステルダムのショーウィンドウはお洒落と言うよりお茶目なものが多かった。

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これは包丁立て。カラフルで可愛いけどグロい。因みにお値段は1万円強。

しかしながら一番オランダっぽく斬新なのは、所謂「飾り窓」と呼ばれる窓かもしれない。旧教会の塔にあがるため教会で前で時間待ちをしていると、目の前のコンビニのような何の装飾も無いガラス窓の中にいつの間にか下着姿の女性が立っていた。何かわからず頭の中に疑問符が飛び交ったが、しばらくすると隣の窓にも同じような女性が立ち始めて、これが所謂飾り窓の女かと気が付いた(気付くの遅いし)。オランダでは売春が合法化されているが、よりによって教会の前でやるのかととても驚いた。この地区に隣接するダムラックはかつてはアムステルダムの港であった場所。そのためこのあたりは水夫達の遊び場だった。港湾機能は時とともに西へと移動して行ったが、飾り窓地区だけはそのまま残ったのだそうだ。

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2011年11月21日 (月)

気になるベンチ(オランダ)

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最近ダッチデザインと、世界でも注目されているオランダ。街を歩いていても、洒落たベンチに出会ったりする。上の写真はユトレヒトの広場で見かけたもの。木の質感と凝ったアールが目を引く。掃除が行き届いていればと残念。

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アムステルダム・ザウド駅のチケットブース内の椅子。カフェなどを見ていても、アムステルダムはチープでお洒落感のあるものが多かった。

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アムステルダム・ザウド駅周辺のビジネス街にあったベンチ。雨ざらしで見る影もないが、デザインは滑らかで美しい。アムステルダム・ザウド駅は所謂ビジネス地区にあり観光客にはあまり利用価値はないかも。しかし空港へのアクセスは良く、なんと所要8分。

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2011年11月14日 (月)

アルルの跳ね橋(Pont Van Gogh)

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南仏アルル中心部から南へ3キロ、アルルとポン・ド・ブーを結ぶ運河にゴッホが描いた「アルルの跳ね橋」が再現されている。前回マヘレ橋で触れたのがこの橋で、正式な名称は「ヴァン・ゴッホ橋」という(ゴッホが描いた橋はラングロワ橋というらしいが、ゴッホ人気にあやかって再現したものなので)。建てられた場所は当時とは異なり、ゴッホの絵では橋は石積みの土台の上にのせられているがここではコンクリートである。周囲には何もなく景観も整えられていない。ただぽつんと橋があるだけだ。橋が再現されたのは1960年、長い年月風雨にさらされそれなりの趣は感じられる。

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2011年11月 7日 (月)

マヘレの跳ね橋

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運河が放射状に広がる特徴的な街アムステルダムには無数の橋が架かっているが、最も有名なのがアムステル川に架かるマヘレ橋だろう。アムステルダムに残る唯一の木造跳ね橋なのだそうだ。オリジナルは1671年に造られ、1722年に複葉式の跳ね橋(跳開橋)となった。マヘレ橋とは「ほっそりした橋」という意味だが、この橋を造らせたマヘレ姉妹の名にちなんで付けられたとも言われている。

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マヘレ橋はガイドブック等を見るとゴッホの「アルルの跳ね橋」のモデルとなったと書いてある。ゴッホは南仏アルルに実際に滞在していたわけだし、アムステルダムの橋をモデルにしなければならなかった理由がわからない。現にアルルにもモデルになった橋というものが再現されている。一体どちらが本当なのか?

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ゴッホは「アルルの跳ね橋」をモチーフにした絵を複数描いている。クレラーミュラー所蔵品のように「アルルの跳ね橋(ラングロワ橋)」と記されているものもあるのでアルルにあるものが一応の本家と見てまず間違いなさそうである。

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本家のラングロワ橋はアルル中心部から3キロほど行った運河に再現されているが、場所を変えて造ったため橋の下部構造にゴッホの絵と異なる部分があり趣が違うと感じる人も多い。一方マヘレの跳ね橋の下部構造は現在は白く塗られているためわかりにくいが、うっすらとレンガか何かを積み重ねたあとが見え、絵のイメージに近い。このあたりがマヘレ橋がモデルと言われている由縁になっているのかもしれない。

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夏の間(9月末まで)マヘレ橋は夜ライトアップされている。テレビで見たときにはとても美しく見えたが、川幅が広く周囲が暗いため、橋に取り付けられた電飾だけでは少々心許ない。ロマンチックというより淋しかった・・・。

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2011年10月31日 (月)

アムステルダム国立ミュージアム別館(スキポール空港内)

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オランダのスキポール空港に着いたのは朝の6時半頃。急に旅行に行くことにしたものだからアジア系のエアしか取れず、まだ真っ暗なアムステルダムに到着してしまった次第。出発前にある方から空港内にアムステルダム国立ミュージアムの別館があると教えて頂いていたので、早速行ってみることにした。そういえば空港内の案内板にはミュージアムの文字が・・・。なかなか不思議な感じである。時間が早いので不安だったが、幸いにも朝7:00オープンだったので少し待つだけで入ることが出来た。

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展示のテーマは時により変わる。私が行った2012年9月は「フランドルの女性達」というものだった。展示室は小さなものだが、目当てのフランス・ハルスが一点あり私としては結構満足。

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展示室は免税店のある辺りにあり、ゲートを移動する細長い通路の二階にある。一階にはミュージアムショップがあるので、それを目印に行くといいかも。

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アムステルダム国立ミュージアムの模型が展示されていた。精巧でとても美しい。現在ミュージアム本体はまだ改装工事中なので、この模型の方がよく見えるかもしれない。

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ミュージアム裏側

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2011年9月19日 (月)

大英博物館(グレートコート)

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2007年最もがっかりした観光地という世論調査がイギリスで行なわれた。結果は下記の通り。

1.エッフェル塔 2.ルーブル美術館 3.ニューヨーク タイムズスクエア 

1と3はわからなくもないが、ここにルーブル美術館が登場するとは・・・。大英博物館とナショナルギャラリーを有するイギリスの国民(しかも無料)にとって、ルーブルのコレクションはそれほどでもないじゃないかといったところなのか、それとも長年のライバル意識のなせる業なのか。いずれにしても日本人の私達には思いもよらない結果でなかなか興味深かった。

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荘厳なイオニア式列柱の並ぶファサードから中へ入ると、ガラスの大屋根を頂く明るい大空間に出る。2000年ノーマン・フォスターの設計により改修されたエリザベス二世グレートコートである。20数年前に訪れたときはこの場所は図書館となっており一般には公開されておらず、来館者は狭くて暗い玄関ホールに入ったあとこの広い中庭を避けるようにして展示室を周って行った。このグレートコートが出来たことによって展示室へのアクセスも四方に確保され、インフォメーションやショップ、カフェ、レストラン、トイレ等の機能も集約、広くて複雑だった博物館の動線がすっきりとしたものになった。

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グレートコートは広さ100m×70m。19世紀煮立てられた円形閲覧室を中心に3000枚のガラスが天井を覆っている。このような古典建築の中庭をガラスの屋根で覆い新旧の対比を見せるやり方は古建築の改修ではよくある手法で、ルーブルのマルリーの中庭やローマのカピトリーニ美術館でも見られる。しかし、グレートコートほどの感動を覚えるものはあまりないと思う。ガラス屋根の微妙なうねりが、躍動感のあるダイナミックな空間を演出している。

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本来なら見上げるしかないイオニア式柱頭の真横を歩いて行く体験は少しワクワクする。改修された建築ならではの楽しみ。

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44本のイオニア式オーダーが並ぶギリシャ様式のファサード。1847年にロバート・スマークによりつくられたものだ。「バーティミアス」(魔術師と妖霊が活躍するイギリスのファンタジー)という物語の中で、作者のJ・ストラウドは妖霊のバーティミアスに「城のように背が高く、銀行のようにつまらない建物」と辛らつな批評をさせている。私も含め大方の一般人の感想だとは思うが、スマーク氏は浮かばれないなぁとも思う。スマークはコヴェント・ガーデン劇場のオーダーについてロイヤルアカデミーの建築学教授であったソーンに講義の中で誤りを指摘されたことがあり、この大英博物館ファサードはかなり慎重に作られたと言われている。少々力が入りすぎているきらいはあるものの、なかなかなの傑作なのだそうだ。イオニア式オーダーはアクロポリスのエレクティオンを参考にしたもので、直接ギリシャ建築を参照している例は希少であり、数年来物議を醸しているパルテノン・マーブルのことを考えるとなかなか興味深い(ルネサンスの建築家が見ていたのはローマ建築で、ギリシャ建築は殆ど知られていなかった)。

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パルテノンギャラリー、パルテノン神殿の破風。この右側にもう半分が展示されている。

大英博物館は別名泥棒博物館とも呼ばれている。理由は説明するまでもないが、ヨーロッパの美術館の殆どが同じような経緯でコレクションを形成して行ったであろうことを考えると特に大英博物館だけがこのような別名を持っているのは少し不思議である。イギリス人は正義感が強いのか、皮肉屋さんなだけなのか・・・。

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2011年8月 8日 (月)

ミレニアム ブリッジ

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2000年、イギリスでは来るべき21世紀を記念して様々な都市開発が行なわれた。1894年のタワーブリッジ以来約1世紀ぶりにテムズ川に架けられたこのミレニアムブリッジも、そうしたミレニアムプロジェクトの一つである。ドームやロンドンアイに並ぶプロジェクトの目玉となるもので期待も大きかったようだ。

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ミレニアム ブリッジはノーマン・フォスター、アンソニー・カロ、アラップ社の共同設計。2000年6月10日に竣工したが、横揺れが酷く振幅が7cmにも達したため危険として3日後には閉鎖されてしまった。ドームは企画が悪かったのか人気を得られず、ロンドンアイもトラブル続きであっただけに、イギリスでは大変な騒ぎになったらしい。日本でもニュースで報じられたので、私も何となくは知っていた。

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原因は横方向への剛性が低すぎる設計だったためということらしい。人が歩くことにより発生するほんの少しの横方向の力が、大勢の人が同時に歩くことにより橋に多少の横揺れを起こす。橋の横揺れと人々の歩調が同期し共振することにより、設計者の想定以上の大きな横揺れが発生したようだ。原因の究明と対策に約二年を要し、2002年2月に再開通した。

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ミレニアムブリッジは北のセント・ポール大聖堂、南のテートモダンと新旧のランドマークを繋いでいる。意外にアクセスの悪かったテートモダンがこの橋によってとても便利になった。橋の上から東にタワーブリッジも見え、ただ散歩するのも楽しい。

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歩行者・自転車専用の橋ということもあって、橋へのアプローチはは両岸ともスロープになっている。車椅子でも楽に渡れるバリアフリー設計。

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橋は浅いサスペンション構造。二つのY字型の橋桁が支えている。ノーマン・フォスターによるこの橋のコンセプトは「優雅な剣・光の翼」とのこと。シャープで軽く透明性の高いデザインで、歩行者のテムズ川への視界を上下に妨げないよう配慮されている。

余談ながら、セント・ポール大聖堂のあるシティの紋章は、セント・ジョージの十字架にセント・ポールの剣を組み合わせたデザインの盾をグリフィンが支えるというもの。もしかすると「優雅な剣・光の翼」というコンセプトは、このセント・ポールの剣とグリフィンの翼に因んだものなのかなぁと・・・。テムズ川の上がシティと言えるかどうかは知らないけど。

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2011年8月 1日 (月)

テート・モダン

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テムズ川南岸サウスウォークにあるテート・モダンは2000年にテート・ギャラリーから現代美術のコレクションを移してオープンした美術館だ。大英博物館のグレートコートやミレニアムブリッジ、ヘイズギャレリア等、ロンドンはこの2000年の前後に新しい建築が次々に建てられ、まるで建築バブルの様相を呈している。このテートモダンは中央の細い煙突が示すように元は火力発電所であったものをリノベーションし、美術館に転用したもの。設計はサー・ジャイルズ・ギルバート・スコット。1952年から1981年までバンクサイド発電所として操業していた。アールデコは大体1910年から30年代にかけてのスタイルであることを考えると、少し遅い登場である。

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リノベーションを担当したのはヘルツォーク&ド・ムーロン。日本の青山のプラダや北京の鳥の巣等の設計で知られるスイスの建築家ユニットである。このテートモダンが彼らの実質的な世界デビュー作品となった。ヘルツォーク&ド・ムーロンと言えば、スタイリッシュでユニークな外壁を真っ先に思い浮かべてしまうが、最上階にガラスボックスが付け加えられた程度でほぼ建設当時の姿で残されている。

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中へ入るとタービンホールと名付けられた吹き抜けの大空間に出る。発電所時代タービン室だったのでその名が付けられたのだそうだ。壁には剥き出しの鉄骨が並び、外観のトラディショナルな煉瓦壁とは対照的な印象。構造は鉄筋コンクリートだが、外観の装飾には伝統的なものを使用するケースはアールデコには多い(日本で言えば帝冠様式のような)。

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タービンホールにトップライトからの自然光が降り注いでいたのはインスタレーションの展示室だからかと思っていたら、他の展示室にも普通に窓があった。そういえばイギリスの他の美術館でも自然光が入っているものが多いなぁと思った印象がある。紫外線カットの技術がそれだけ進んだということなのかな。

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テムズ川の眺望が素晴らしい最上階のレストラン・バー。クリストファー・レンのセント・ポール大聖堂とノーマン・フォスターのミレニアムブリッジが正面に見える建築ファンには堪らない観賞スポット。もう少し右に行くと30セント・メアリー・アクス(同じくノーマンフォスター)も見える。この左側にレストランがあり、窓際の席でなくても眺望は楽しめなくもないが、窓を正面にして座れるバーの方がおすすめ。4階かどこかにテラス席のあるカフェ・バーがありそちらも気持ち良さそうだった。

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