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2008年5月21日 (水)

ルーブル美術館2

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I・Mペイのガラスのピラミッドはドゥノン・リシュリュー両翼の中央にルーブル美術館の入口として建てられた。僅かに外に開いた両翼の散漫になりがちな空間に、その単純な三角立体は見事に求心性を発揮している。このピラミッドがルーブルの入口として登場した意味は大きい。ルーブルは古代から18世紀までの美術を幅広く扱う美術館だ。従来のバロック建築の中に古代の英知を象徴するピラミッドを建てることによりこの美術館の所蔵品を明らかにすると共に、二重の意味で新旧の対比を見せる。一つはまさにその建築としての様式の対比、もう一つはガラスと鉄という近代的素材と古くから使われている石という素材の対比。その特徴の対比の鮮やかさはもとより、それぞれの対比が着目する点により新旧交代するところもおもしろい。また、パリという街から考えても、シャルル・ドゴール・エトワールの凱旋門、コンコルド広場のオベリスク、カルーゼル凱旋門、そしてガラスのピラミッドと一直線に古代の記念碑が並ぶことになり、ナポレオン以来の古代趣味に貢献している。建築当時あれほど物議を醸したペイのピラミッドは都市のコンテクストにもはまり込み、今ではルーブル美術館の顔とも言える存在になっている。

Louvre1

ガラスのピラミッドの中から外を見る。スタイリッシュな空間。ピラミッドはリシュリューとドゥノン翼を繋ぐ地下空間の天窓ともなっている。

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入口の螺旋階段

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ルーブルに隣接する地下ショッピング・センターの奥にある逆ピラミッド。これもルーブルの入口である。通常のピラミッドは常に長蛇の列だが、ここからなら早く入れる。ルーブルに隣接する地下ショッピング・センターの奥にある。また、カルト・ミュゼ専用の入口もあり、そちらは全く並ぶことなく入館できた。

ところで、ルーブル美術館の正面はガラスのピラミッドが入口だから西側になるわけだが、ルーブル宮としての正面は実は東側になる。このファサードは太陽王ルイ14世の時代に宮殿に相応しいファサードをということで建設されたが、このときにかのイタリアの建築家ベルニーニも招聘されている。国賓級の待遇で下にも置かぬもてなしだったらしいのだが、結果としてはベルニーニの意見は取り上げられることなく何もすることなしにイタリアに帰ってしまった。ベルニーニの残した東側正面案というものは存在しており、美術館の公式サイトで見ることができる。中央に円筒状のものを配置しその両側に緩くカーブを描いた両翼が腕を伸ばすヴァチカンのサンピエトロ寺院の広場を想起するようなデザインとなっている。先にも書いたように実際にはこの案は実現することなく、ペローとル・ヴォーによって現在見ることが出来る東正面が完成された。今では平坦な列柱廊の広がるファサードが見慣れているのでそれがルーブルという気がするが、ベルニーニのうねるようなダイナミックなファサードが採用されていたら、どんな感じだったのだろうか・・・。

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こういうところが結構ルーブルっぽいと思ってしまう。

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ドゥノンとシュリー翼の境にあるダリュの階段。踊り場には「サモトラケのニケ」が展示されている。天窓から降り注ぐ光がスポットライトのように女神を照らす。

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「サモトラケのニケ」今にも飛び立ってしまいそう。

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ミケランジェロの「抵抗する奴隷」と「瀕死の奴隷」が並ぶ。

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アポロン・ギャラリー、最も宮殿らしい豪華な部屋。ルイ15世の王冠やマリー・アントワネットのダイヤモンド、豪華な食器類が展示されている。

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ここの天井のデザインがとても美しかった。

さて、半強制的にルーブルに連れて来られるきっかけとなった問題のモナリザだが、たった数分の逢瀬でくだんの彼をオルセー派からルーブル派に寝返らせた謎の微笑は、私には何の印象も与えなかった。しかし、人間は成長するものではあるし、同じ建築を見ても以前は感じなかったものが感じられるようになることもよくあるから、いつかは私にもわかる日が来るかもしれない。自分の感じ方の変遷を辿れるのも、歳を重ねることの楽しみの一つだと思っている。モナリザについては、そんな日が来るのか来ないのか・・・。今のところ可能性は低そうだ。

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