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2010年10月24日 (日)

オルヴィエートのドゥオモ

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これまで旅行した国の中でどこが一番好きかと問われればおそらくイタリアと答えるだろう。そんな自分がゴシック建築好きであることは随分な矛盾だと思う。西欧諸国の中でゴシックにこれほど冷淡な国はギリシャとイタリアくらいではないだろうか(そして私はギリシャも大好きだ)。ギリシャもイタリアも古典建築の本場だから仕方がない。大体ゴシックという言葉自体がルネサンス期に「ゴート風」と呼ばれたことに由来する蔑称だったのである。とは言っても、何でもあるのがイタリアの良いところで、このオルヴィエートのドゥオモはそんなイタリアにおいて建てられたゴシックの大聖堂なのだ。イギリスの美術史家ニコウラウス・ペヴスナーはイタリアンゴシックの中でシエナのドゥオモに並び最も美しいファサードと紹介している。

オルヴィエートのドゥオモは、13世紀末から3世紀に渡って建てられ、延べ33人の建築家、152人の彫刻家、68人の画家、92人のモザイク師が携わったと言う。最も中心となった建築家は1300年の初めに指揮を執ったシエナの建築家兼彫刻家のロレンツォ・マイターニで、そのためかこのドゥオモはシエナのドゥオモによく似ている。

ファサードは、豪華な金のモザイクと薄肉彫りの施された4本の大きな柱、繊細な装飾が美しい3枚のブロンズの扉で構成されている。特に金のモザイクは扉横のねじれ柱にも施されており、異国情緒を醸し出す。3枚の扉上は、両端の小さなものは尖塔アーチだが、正面の最も立派なタンパンは半円アーチで囲まれる。ゴシックにビザンチンやロマネスクの要素が決して控えめにではなく入り混じっている。建築は長きに渡って建てられるため色々な様式が重ねて組み込まれることは普通にあるが、このドゥオモのファサードのように完成度高く交じり合っているものは少ないのではないだろうか。

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イタリアのゴシックの薔薇窓は、ステンドグラスではなくトレーサリーが主役。周囲を囲む彫刻の装飾も見所。

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正面扉上の半円アーチと破風のモザイク。

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エブラズマンのデザイン

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ファサードの柱はエブラズマンからの流れでデザインされている。ねじれ柱の中に精緻な彫刻やモザイクが施されている。

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柱のレリーフには聖書のシーンが施されている。

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内部は残念ながら撮影禁止。バシリカ式プランの三廊式。身廊、側廊とも木の小屋組み天井がそのまま見える。ゴシックらしいリブヴォールト天井は祭壇とその前の部分のみ、身廊と側廊を隔てる大アーチは半円アーチでアーチを支える柱の柱頭はアカンサスや動物の頭部の彫刻で飾られている。側廊の壁はシエナと同様に白と黒の大理石を交互に水平に重ねている。この仕上げはトスカーナ地方の伝統的なものに根ざしたものではないかと思う。祭壇部や聖ブリッツィオ礼拝堂のフレスコ画も素晴らしく、見所は多い。

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