ホテル

2012年1月18日 (水)

citizenM hotel Amsterdam City

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citizenM hotel Amsterdam City

Prinses Irenestraat 30, Zuideramstel, 1077 WX アムステルダム

アムステルダムでは二つのホテルに宿泊した。一つは駅近で快適、でも部屋はおもしろ味の無いホテル。もう一つは立地は少々不便で、部屋はお洒落だが結構使いにくいホテル。

citizenM hotel Amsterdam Cityは後者のホテルだ。場所はアムステルダム ザウド駅から徒歩約5分。トラムならPrinses Irenestraat停留所から130m。ホテルの周囲にはほぼ何もない、

スキポール空港まではザウド駅から10分弱と便利だが、街の中心にはやや遠く観光には少し不便だと感じた。と言っても、ゴッホ美術館や国立美術館のあるミュージアム広場までトラムを利用して10分で行けるのだから、これがパリやロンドンなら十分便利と言える範囲ではある。アムステルダムの観光地はほぼ徒歩圏内で収まっているため、これでも不便だと感じた。

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部屋はドアから窓へと長細く続いており、入口入ってすぐに水周り全てがあり、中心に小さな机とサイドテーブル、一番奥にベッドがある。一番上の写真と2番目の写真をあわせると、この部屋の全てということになる。

斬新なデザインでお洒落な部屋だが、かなり狭い。二人だと触れ違うこともできない。荷物も私たちは小さかったので大丈夫だったが、大き目のスーツケースの人は広げられないと思う。

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部屋に二つある筒状のはガラスは、一つはシャワーブース。

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もう一つはトイレになっている。ガラスの半分は曇りガラスになっているが、一緒に泊まる相手によっては影が映るので気になると思う。一応、カーテンで水周りを仕切れるようにはなっている。

洗面台は小さく顔を洗えばすぐに水が飛び散ってしまいそう。また、洗面台横に小さなガラス板が申し訳程度に設置されているだけなので、何かと水周りで使用するものが多い女性には使い辛い。

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円筒状のブース上の照明は赤黄色緑と色が変わって行くようになっており、曇りガラスに反射してぼうっと光る。おもしろい。

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ロビーはカラフルでスタイリッシュ。

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いろいろな椅子のデザインが堪能できる。

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これはエレベーター前のイス。

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子供が遊ぶスペースは可愛い。でも子供向きのホテルじゃない。

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全体的にデザイン重視なので、快適に過ごせるとはいいにくい。デザイナーズホテルは多かれ少なかれ不便なものなので、ある程度は覚悟して泊まるべき。部屋が随分狭いのには驚いたが、その分工夫されたおもしろい造りになっていた。予約サイトの利用者評価が高いのも頷ける。建築やインテリアに興味のある人には楽しめるホテル。便利さ・快適さが最重要ポイントの人は、中央駅付近で無難なホテルを探した方がいいだろう。

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2010年11月10日 (水)

TRULLIDEA RESORT(トゥルッリのホテル)

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TRULLIDEA RESORT

大阪からローマまで約15時間、ローマからバーリまで約8時間(夜行のため)、アルベロベッロまでバスで約1時間半。トゥッリ見たさにここまでの時間をかけて来たからには、トゥルッリに滞在せずしてアルベロベッロを立ち去るなどは全くもって論外。アルベロベッロのトゥルッリはモンティ地区とアイアピッコラ地区に集中しているが、そのモンティ地区の端の通りがホテルになっていた。町中のトゥルッリは長屋になっており、その一棟が一室になっている。

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部屋は広く簡易ベッドも入れて3人までは宿泊可能。奥のキッチンとはアーチで仕切られている。流し台の横に洗面所とバスルームへ続く扉がある。窓が小さいので昼間でも電気をつけなければかなり暗い。にも関わらず電気をつけて暖房をつけてドライヤーを当てているとヒューズが飛んでしまった。フロントに言うと「電気使い過ぎよお」と言われた・・・。イタリア語だったけど、なんかわかった。

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朝フロントで一緒になった他のお客様と話をしていたら、「夜、寒かったですよね」という話になった。2月のことだったが、暖房を最強にしていても結構寒い。後で聞いたところによると、トゥルッリは夏は涼しいが冬の寒さはかなり厳しいらしかった。しかも湿気が酷いので、昼間はドアを開けて乾燥させるようにし人は外に出ているのだそうだ。モンティ地区を歩いていると店をやっているせいもあるのだろうが、外に出て椅子に座っている人をよく見かける。昼間室内が暗くても気にならないわけだと妙に納得した。

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今年の夏8年ぶりにアルベロベッロを訪ねたら、宿泊したホテルは土産物屋に変わっていた。部屋の作りからわからないかなぁと思ったが、どの店が自分の宿泊した棟なのかはわからなかった。後で他の土産物屋の方に尋ねてみると、ホテルは潰れてしまったのではなく町の中心の方に引っ越してしまったのだそうだ。アルベロベッロではもう何年も土産物屋の数もホテルの数も変わっていないとのこと。アルベロベッロは昔から観光地だったし、今もとっても観光地で何も変わっていません・・・だそうだ。

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2010年7月26日 (月)

ギャラクシー スイーツ&スパ

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Galaxy Suits & Spa

Main Street, 84700 Imerovigli

イメロヴィグリの宿泊はギャラクシー・スイーツ&スパ。何と言っても、広くてお洒落な部屋と海の見えるジャグジーが魅力。ハネムーナーにぴったり。立地は町の北端にあり少し淋しい気もするが、バス停からは近いので、不便と言うほどでもない。タクシーをホテルのすぐ近くまで呼べるのもいい。サービスも行き届いており、非常に居心地の良いホテルだった。

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内装はとてもモダンで素敵。リビングからベッドへは階段で上がるようになっている。

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洗面&シャワールームがまた洒落ていて広い。

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不必要なほど(?)広いリゾート感溢れるシャワールームにはカーテンや間仕切りが一切ない。シャワー部分と他の部分の床の高さが殆ど変わらないので水が飛びやすく、濡れた石の床は滑りやすい。デザインと機能性の両立は難しい・・・。

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アメニティ

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部屋の前のテラスには専用ジャグジーがある。

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ジャグジーからの眺め。ジャグジーは見た目少し小さい気がしたが、二人で十分広々と入れる。ずっと入っていたいくらい気持ちが良かったけれど、体に悪いので程ほどで。

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このテラスからはティラシア島とイアの町が見える。

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朝食はプールサイドで。ビュッフェでない朝食はギリシャに来てここだけだった。長期滞在が普通なのでメニューは毎日変わる様子(ちなみにこの翌日はオムレツ)。ヨーグルトなどの冷たいものは、ある程度食事が進んでから持ってきてくれる。そんな心遣いも嬉しい。

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プールからの眺めも美しい。

サントリーニの宿泊はどの町に泊まるのがいいのだろう。今回の滞在は階段テラス状のトラディショナルな洞窟住居と海の見えるジャグジーのどちらも捨てがたかったので宿泊を分けたが、普通は分けて泊まるような距離ではない。行ってみてわかったが、フィラ以外のホテルでも階段テラスの雰囲気は十分に味わえるようだ。場所的にはフィロステファニがフィラから歩いても近く、ホテルも新しいものが多いので良さそうに思えたが・・・。

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2010年7月20日 (火)

ポルト フィラ スイーツ

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Porto Fira Suites Hotel
Caldera Cliffs,84700 Fira, Santorini
 
サントリーニの宿泊は実はイメロヴィグリのホテルに決めていたが、どうしてもフィラの崖にあるケーブハウスに泊まってみたくて4泊のうちの2泊をこちらに変更した。ポルト・フィラ・スイーツはフィラの町の南西寄り中腹にある。ホテルの建物は階段状に下へとスプロールしているので、通りからは写真のようなゲートだけが見える。フィラではホテルもレストランもこれが普通。白いゲートを通して青い海が見える、これがまた美しい。
 
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ゲートをくぐってさらに下へ降りたところがレセプション。上の写真の奥がレセプションでその前のテラスが朝食をとるところ。ここで朝食を食べていると、どこからともなく猫が現れて食べ物をねだる。贅沢な猫らしく好みのもの以外は見向きもしない。そんな高飛車なところがまた可愛い。
 
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ホテルの中も階段テラス状なので、全ての部屋に海に開かれたテラスがある。この階段を荷物を持って登り降りするのは結構大変。部屋からフロントまでが既に大変なのに町の1番上にあるタクシー乗り場まで上がれるんだろうかと不安になるが、帰りはポーターの男性が持って上がってくれるので大丈夫。ただ、ポーターの男性は一人なので荷物は二つまでしか運べない。というよりも、私たちが一つの荷物でさえ持って上がれないと心配してるのに、スーツケース二つ抱えて息も切らさず前を歩いていく姿に脱帽・・・。
 
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このテラスからは、ネア・カメニ島とサンセットが見える。
 
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テラスから部屋の中へ入ると作り付けのソファが可愛いリビング。
 
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リビングから海側へこの小さな階段を上がったところがベッド。右のトンネル上のところがクローゼット。
 
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このベッドからは海が見える。とてもロマンチックだけど、使い勝手はよくない。スペースがほぼベッドで一杯になるため、スリッパや眼鏡や時計を置く場所がない・・・。多分そんなものはこんなロマンチックなベッドサイドに置いてはいけないのだ(笑)
 
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洗面とバスルーム。バスタブは広くジャグジー付き。ただし、壊れているようで動かなかった。取り外しが出来るシャワーなのは嬉しい。
 
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アメニティはギリシャで有名な自然派コスメブランド「コレス」。
 
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バスタブからの眺め。ただしここは人が通る。
 
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プールはホテルのかなり下の方にある。少し小さめ。夜は一応ライトアップされる。
 
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ポルト・フィラ・スイーツはどこまでもロマンチックでどこまでも可愛いホテルだ。スタッフの方もフレンドリーで親切。ただし、湿気の酷さは覚悟した方がいい。これが半端ではない。朝食前に部屋の前のテラスで地図を広げていたら、10分位で地図が湿って濡れたようになっていた。サントリーニは霧や雲が引っかかることが多く、大気中の水分を土地が吸収し豊かな土壌が育つというのは本当だなぁと実感する。そして部屋の中の湿気がまたヒドイ。スーツケースから外に出していた服が触った瞬間に濡れていると感じる。おそらく、洞窟住居は密閉性が高いためだろう。中に入れていたものはそうでもなかったので、使わないものはスーツケースで保護するのがよいかと(笑)あまりの湿気に私は水の布団で寝ている夢を見てしまった・・・。まあ、洞窟住居とはそういうものと大らかな気持ちでいれば平気?
また、フィラは階段が多く、道が狭いので車は入れないところが多い。このホテルもタクシーを降りてから結構遠いし、場所がわかりにくい。ちなみにイパバンティ教会横のタクシー乗り場あたりから降りて、突き当たりを右にまっすぐ行くと左手にある(アギオス・ミナス教会の反対に曲がる)。迷子になっても迷った先の景色も綺麗だから結果オーライということで。 

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2010年7月14日 (水)

セメリ ホテル

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Semeli

http://www.semelihotel.gr/

ミコノスの宿泊は4つ星ホテル、セメリ。ミコノスタウンの山側にあり、車道から殆ど離れていないので空港からタクシーで入る場合はとても便利(ミコノスは道が狭いので車が入れない場所が多い)。風車にも港にも近く、車道沿いに歩けばミコノスのパノラマが広がる素敵なロケーション。スタッフも非常にフレンドリーで居心地のいいホテルだった。ヴェネツィア地区に系列のバールもあり、宿泊客にはディスカウントがある様子。

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部屋は広いが割りに質素。レセプションやレストラン、バーはとても素敵なのに不思議だ・・・。この部屋には一応バルコニーがついていて、ホテル内の裏通りに面している。

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アメニティはギリシャで有名な自然派化粧品アピヴィータのもの。

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バスルーム

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一つ一つの部屋が離れのように外から入るようになっているエーゲ海特有の形式のホテル。ホテルの中でも町を歩いているような気分になる。

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朝食はレセプション横のレスラン。少し高台にあるので、町と海を見下ろせる。反対側の席からはカト・ミリの風車が見える。ここで前日カストロ・バールで相席になった別のお客様とまた一緒になった。やはりミコノスは狭い・・・。というか、あのバールに行く人の行動パターンが同じなのか?

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プール側の席。この右奥にバーがある。ちなみにこのプールからの眺めも素敵。勿論風車も見える。

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セメリの朝食ビュッフェは種類も多く豪華。食器もお洒落なので、女性好みかも。眺めも良いので時間をかけてゆっくり愉しみたくなる。朝食の時間を大切にしたい私には嬉しかった。

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2009年8月14日 (金)

インターコンチネンタル香港

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InterContinental HongKong

18Salisbury Rd., Tsim Sha Tsui

久しぶりに会社に休みをもらって香港に行った。今回の宿泊はヴィクトリア・ハーバーに突き出すように立つ香港屈指の立地を誇る5つ星ホテル、インターコンチネンタル香港である。このホテルは香港へ来るたびにラウンジやレストランで何度も利用しているのだが宿泊するのは初めてだ。オリエンタルなムードに纏められた広々とした客室は、ゴージャスかつ機能的。評判通りの快適さである。

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日本人の8割がハーバービューを指定する中で、「眺めのいい部屋」に拘らない私達は若干リーズナブルなシティビューの部屋に。こちらの間取りの方が少し広いらしく、ビジネスマンやリピーターには人気なのだとか。

ちなみに、たまたま知り合ったバックパッカーの男の子がコーナーのジュニアスイートに泊まっていると言うので部屋を見せてもらったが、部屋の広さと眺望とバスがジャグジー付きということ以外は私達の部屋とそう変わらなかった(まあ、それだけ違えば十分違うけれど)。なんでも、彼は香港の夜景をとても楽しみにしていて1日だけ豪華なホテルに泊まろうと思いハーバービューを予約したところホテルの方で手違いがあったため、お詫びにグレードアップしてくれたのだとか。羨ましい・・・。

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洗面、バス、シャワーブース、トイレといった水周りはベッドの背中側に置かれ、両側から出入りが出来るようになっている。どちらのベッドの側からもすぐに入れるということは、些細な事ながら非常に快適。上の写真のバスタブの右横に洗面、左横に若干暗いながらも鏡とドライヤーが使えるようになっている。これだと洗面台をもう一人が使えて水周りを離れることなくドライヤーが使える。しかも人を避けなくてもするっと部屋へと出て行ける。コンラッドのツーボウルの洗面台もかなり嬉しかったけれど、インターコンのこの動線の取り方はかなりいいかも。

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この日は一緒に旅行に行った姉のバースデイ。ホテルからケーキのプレゼントが。

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シティビューの私たちの部屋はホテルのプールを見下ろすことになる。左にはペニンシュラ、右には僅かながら海と星光大道も見える。プールの空き具合も確認できるし、夜景の美しい時間に部屋にいないのであれば、ハーバービューにこだわらなくてもいいかもしれない(セントラルのビルが綺麗なのは大体10時くらいまでのような・・・)。

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今回1番楽しみにしていたインフィニティ ジャグジー。異なる3つの温度に分かれている。右端が通常のお風呂温度、左はぬるま湯、真ん中は18度とかなり冷たい(プールが28度くらいだからかなりのものだと思う)。

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夜はこんな感じ。ちなみにプール・ジャグジーはAM6:00~PM10:00まで。是非24時までにして頂きたい。

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プールサイドのバー。朝食やランチも食べられて人気。

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1Fのフレンチレストラン「スプーン」からの眺め。インターコンと言えば夜景の見えるラウンジが有名だが、その隣にある。素直においしかった・・・。

香港のホテルは色々宿泊したつもりだが、インターコンチネンタルは噂に違わずとても素敵なホテルだった。バックパッカーの彼ではないが、私達も旅行社の手配違いで宿泊の予約が取れていなかった(他のホテルに入っていた)ということが旅行前に発覚したが、その時もホテルには何の関係もないことなのに非常に親切にスマートに対応してくれた。やはりホテルの快適さはホスピタリティに尽きるのかなぁとこんな時は思う。

また、インターコンチネンタル香港は、高級ホテルなのに気取らないというか妙にくだけたところがある。プールまでバスローブとスリッパで行っても全く問題ない。というか、それが普通。エステに予約をしたところ「部屋のバスローブでお越しください」と言われた。いくらアジアだからと言っても他の香港のホテルでは、部屋の外をバスローブはおろかスリッパで出歩くのも禁止されているのが普通だ。気楽にプールが利用できて、嬉しいシステムだった。是非また泊まりたいなぁと思ったが、同じホテルに二度は宿泊しない主義の私達なので、次回の香港もまた違うホテルに泊まっているのだろうと思う。

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2009年4月12日 (日)

グランド・ホテル・エヴロパ

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ホテル セントラルのA・ドリヤークとB・ベンデルマイエル、二人の建築家が次に携わったのがこのグランド・ホテル・エブロパ。ヴァーツラフ広場という最高の立地に建つアールヌヴォー様式のホテルである。建物自体が建てられたのは1889年、アールヌーヴォーに改装されたのは20世紀に入ってからのことだからこの二人の建築家が関わったのはこの改装時のことだろう。

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ファサードの主役はこのホテルでは漆喰ではなく、窓やバルコニーを飾るアイアンワークに譲られる。セントラルの可憐さに対してこちらは少しウィーン風な気がしたが、私は中欧もアールヌーヴォーもよく知らないので的外れな感想かもしれない。ファサードの鮮やかな黄色はこの10年か20年くらいの間に塗り替えられたものらしく、以前このホテルを見た方の中には不評の向きもあるようだが、私には別段悪いようには見えなかった。もう少し風雨に晒されればそれなりに落ち着くだろうから、それでいいのではないかと思ったりする。

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入口の庇

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入口の取っ手の装飾

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バルコニーのアイアンワーク

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バルコニーのアイアンワーク

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フロントの方にお願いして中を見せてもらった。これは2F。

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五線譜に縁取られたような階段。踊り場には蝶のような照明が軽やかに浮かんでいる。

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階段手摺のアイアンワーク

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階段の照明。羽のような影を落とすのは二つのライトを吊り下げるワイヤー。

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階段を見下ろす

家族で写真を見ていた折父がこの階段の写真を見て「なんと無駄な」と感想を漏らした。人には好みがあるのでアールヌヴォーが気に入らないのは仕方がないのだが、憎んででもいるかのような顕な嫌悪感はなんなのだろうと驚いた。父はもともと色々な意味で「飾る」ということが嫌いな性質だ。そういう意味では父はアドルフ・ロースのような人だと言える。そこまでポリシーがあるかどうかは別にして。(ちなみにロースは装飾は犯罪だと主張した人である。)

建築は簡単に言うと、機能・技術といった理性的な面と装飾や造形・象徴といった情緒的な面と相対する二極の側面を持つ芸術である。よくはわからないが、父にとって建築とは理性によって造られるべきものであり、建築の歴史とは装飾を削ぎ落とす過程でなければならないのかもしれない。建築的にはル・コルビュジェの近代建築五原則やミース・ファン・デル・ローエの「レスイズモア」に代表される20世紀のモダニズムの中で、社会的にも高度経済成長期の日本を生きた世代の父にしてみれば、その価値観はある種当然な気もしてくる。実際、私が子供の頃はアール・ヌーヴォーはまだ悪趣味の代名詞として使われていたし、異形の建築、世紀末の産み落とした鬼子、徒花といった表現も建築関係の本ではよく目にするのである。

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階段の見上げ

アールヌーヴォーとはフランス語で新しい芸術という意味である。1895年に画商ビングがパリで開いたギャラリーの名前に由来している。ビングのギャラリーはヨーロッパやアメリカの最新の芸術やアフリカ・東洋の珍しい品を取り扱い、この時代のパリで一種の情報センターのような役割を果たしており、その店の名前がそのまま世紀末芸術をさす言葉となった。そしてこの世紀末芸術と言うのが多様を極めており一筋縄ではいかない。まず世界各国で同時期に発生したため、国によって呼び方が異なる。フランス・ベルギーではアール・ヌーヴォー、ドイツではユーゲント・シュティール、オーストリアではゼゼッション、スペインではモデルニスモ、英米はモダンスタイル、イタリアはスティーレ・リベルティ、フィンランド・スウェーデン等ではナショナル・ロマンティシズム。ちなみにチェコはオーストリアと同じでゼツェッションと呼ばれている。これらの名称の違いはただ国の違いを表わすわけではなく、表現方法の違いでもあり、政治的信条の違いでもあり、地域固有の素材やモチーフの違いでもあるから難しい。例えば、このホテルとレヒネルの時にお菓子の家と表現されるシペキ邸もアール・ヌーヴォーに分類されるが、その表現方法や形状の中に様式的規範を見つけようとすると私などは途方にくれてしまう。

しかしながら、この多様な名称の間には深い共通点があると大原美術館の高階秀爾館長は著書「世紀末芸術」の中で指摘している。第一の共通点は、これらの名称の生まれてくる背景だ。フランス・ベルギー・イタリアでは美術商の名前(リベルティはイギリスのリバティ商会からきている)、ドイツ・スペインにおいては当時の芸術家達が創設した美術雑誌(この本の中では、スペインの世紀末芸術の名称は「アルテ・ホベン」と説明されている。今ではモデルニスモが一般的だが、アールヌーヴォーは同じ国においても沢山の別称を持っている。ちなみに「アルテ・ホベン」はピカソが1901年に創刊した雑誌である)、英米では工芸・建築運動の名前が由来となっている。これは近代芸術の他のグループとは大きく異なる特徴で、印象派やキュビズムのように外部から与えられた名前でもなく、ロマン主義・古典主義のように後世の歴史家によって採用されたものでもない、その運動を推進した芸術家達自身によって選ばれた名称なのだということである。

第二の共通点はその意味する内容である。「アール・ヌーヴォー=新しい芸術」「ユーゲント・シュティール=青春様式」「スティーレ・リベルティ=自由美学」「アルテ・ホベン=若い芸術」「モダン・スタイル=近代様式」これらの言葉は「なにものにも捕らわれないみずみずしい精神、若々しい情熱を意味するものにほかならない」というものである。そして、「芸術」「様式」「美学」というように、絵画運動や建築様式のような一部に関わるのではなくあらゆる領域にわたる総合的な言葉が使用されている。

つまり、アール・ヌーヴォーの芸術家達は、過去からの決別を高らかに宣言したのである。

建築の世界だけの話に戻るが、アール・ヌーヴォーが生まれる前19世紀前半の西洋の建築事情はパリのメトロの駅を書いた折にも触れたが、この頃の西洋建築は過去の様式を安易に模倣するだけで新しいものを生み出さなかった。建物の外観に如何に巧みに過去の様式を取り入れるかだけが当時の建築家の命題でったのである。アール・ヌーヴォーの芸術家達はその硬直した西洋建築の歴史に一石を投じたのであった。これこそがアール・ヌーヴォーの功績なのだと近年では認められているようだ。

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ガラス天井の吹き抜け

アール・ヌーヴォーは建築に限って言えば1893年に始まり第一次世界大戦の勃発とともに終焉を迎える。その間僅かに四半世紀。その理由は、アール・デコに取って代わられたためとか、あくまで装飾の様式であって構造の様式ではなかったためとか言われている。あるいは個人的な建築が中心だったこの様式は発注主と建築家の一対一の関係から造られるため抑制が効かなくなり自己崩壊してしまったとの説もある。そう説明すると、父は人類の正常な美的感覚に安堵したようだった。父ではないが私も3番目の説に賛同したい。肥大化するエゴの中で華やかに自爆していったと考える方が新しい芸術の幕開けを強烈に主張したアール・ヌーヴォーの終焉に相応しいような気がするのである。

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グランド・ホテル・エヴロパは風格ある佇まいながらも中級ホテルに区分される。物価の安いチェコにあってホテル代だけは高いので、安い宿泊先を探すときにオススメのホテルのようだ。古いホテルなので部屋もあまりキレイではないらしい。シャワー共有の部屋はかなり安いと聞くが、もう今の私にはそういうキビシイ旅行はできない(苦笑)

ちなみに1Fにはカフェ・エヴロパというアールヌーヴォー様式のカフェがあり、こちらの設計には広島の原爆ドームで日本でも御馴染みのヤン・レツルが担当したらしい。

http://www.evropahotel.cz/

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2009年2月 2日 (月)

K+Kホテル セントラル プラハ

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火薬塔からHybernska通を東へ入るとホテル・セントラルというアールヌーヴォー様式の瀟洒なホテルが建っている。設計はカフェ・コルゾのオーマンとその弟子であるA・ドリヤーク、B・ベンデルマイエル。オーマンはプラハの工芸美術学校で建築装飾の教授を務めており、この学校では芸術の総合化を目指していた。このホテルも総合芸術建築として設計に取り掛かったが、1899年にウィーンに宮廷建築家として招聘されたため(オーマンはウィーン・アカデミーの出身で、ネオ・バロックの建築家としてそのキャリアをスタートさせている)、後は弟子二人に引き継がれ、ホテルは1901年に完成された。

何と言ってもベイウィンドウ横の化粧漆喰の繊細な装飾が目を引く。この化粧漆喰は装飾彫刻家のクローチェクが独自に考案したものである。プラハのアールヌーヴォー建築には工芸品のような繊細な装飾を施されたファサードをよく見かけるが、これはクローチェクの考案あってのことなのだそうだ。

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このホテルのことは本で見て知っていたが、そのときはあまり興味を引かれなかった。プラハに着いた頃にはすっかり忘れていて、地図の中で名前を見つけて思い出したくらいだ。実際に見てみると思いのほか魅力的な建築であることに驚いた。柔らかさの中にも凛とした品がある。漆喰の装飾はもとより金の使い方も丁度いい(金という色は上品にも下品にもなる難しい色だと思う)。ファサードを見るだけでも楽しいと思う建築は久しぶりである。

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入口の庇

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下にはHOTEL CENTRALの文字

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入り口両横の窓上にもホテルの名前

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出窓の下の装飾

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豪華なエレベーターと階段

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階段はアールヌーヴォーの最大の見せ場(私にとっては)。

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階段手摺のアイアンワーク

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近代的なガラス張りのエレベーター室。ガラスの後ろにアールヌーヴォーの手摺が見えてカッコイイ。

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階段途中から上階のエレベーター扉を見上げる。

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窓のステンドグラスと壁に描かれた絵も可愛らしい。

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階段を見下ろす。エレベーターを取り巻くように階段が配されているのでこれが精一杯。

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階段の見上げ

このK+Kホテルというのはオーストリアの大手ホテルグループで、私も今回のプラハや2年前ブダペストでホテルを探した折このグループのホテルを検討したことがある。どのホテルもスタイリッシュな内装で女性が好みそうなホテルだった。クチコミ評判もよいようなので、いつかオーストリアに行くことがあれば今度は泊まってみようかな・・・。

http://www.kkhotels.com/

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2009年1月22日 (木)

グランド・ホテル・ボヘミア

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Grand Hotel Bohemia

Kraldvorska4,Praha1

www.grandhotelbohemia.cz

今回プラハの宿泊はグランドホテルボヘミア。火薬塔・市民会館まで徒歩3分、旧市街広場までなら5分強、すぐ近くの共和国広場には空港行きのミニバス発着所や大型スーパーもある。地下鉄の駅は3分ほど、フローレンツバスターミナル、プラハ本駅にも10分程度で行ける非常に便利なロケーションで、とても過ごし易かった。ホテルのスタッフも愛想がよく、よい感じ。

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中世プラハが最も繁栄した時代の王であるカレル4世もプラハ城増改築の折にこの建物に滞在したと言われている。かなり古い建物だが、内装は2000年代に入ってから改装されているので、スタイリッシュで使い勝手もよい。でも部屋はあまり広くはない。何故かテレビが随分立派だった。日本の放送はNHKだけ入るので、何年ぶりかで紅白が見られ、少しだけ年末気分になれた(笑)

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洗面台

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バスタブ

シャワーは取り外せるタイプ、朝シャン派には重要ポイント。

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アメニティは充実していなかった。でも私にはあまり大事じゃないので・・・。

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アールを描く廊下がカッコよくてお気に入りだった。壁に掛けてあるのは、天文時計やカレル橋等プラハの名所のお洒落なモノクロ写真。

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最近天気予報をおいてくれるホテルが増えた気がする。テレビを見ればいいのだが、やはり便利だ。

ちなみに、この年末年始は大体-1℃~-5℃くらい。-1℃だと今日は暖かいねという気持ちになる。降水量の少ない国なので結構お天気には恵まれた。雪の日もあったけれど、それもまた美しい・・・。

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2008年6月26日 (木)

ホテル ボーマルシェ

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Hotel Beaumarchais
3, rue Oberkampf
75011 Paris

http://www.beaumarchaisparishotel.com/

今回のホテルはマレ地区にある3ツ星ホテルボーマルシェ。地下鉄オベルカンフ駅、フィーユ・デュ・カルヴェール駅から徒歩5分と近く、SNCF北駅にも地下鉄で二駅と便利なロケーション。

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部屋のインテリアはカラフルで可愛らしい。

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だけど、結構狭い。

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一応バスタブ付きだけど・・・。

ちなみに、朝6時を過ぎないとお湯は出ない。朝シャン派で、尚且つ朝早くから遠方へ出掛ける私には結構ツライ日も。

パリは1月がホテルの金額が上がる時期なので、年末年始の旅行者には厳しい。このホテルは、スタッフの方はとても親切で感じが良かったけれど、ある程度の年齢を過ぎるとキツイかも。

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朝食で使用されているカップはお土産に購入することもできる。カラフルでとても可愛い。

ちなみにこのカップやグラスは、「MAISONS DU MONDE」というショップのもので、可愛いデザインとロープライスが魅力。フランス各地にあるようで私のお気に入りだったりする。以前マルセイユで見たけれど、かなり大きなショップで品揃えも豊富。女の子のお土産にぴったり。

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上の写真は、ランスのCHAPELAINS通りにある「MAISONS DU MONDE」。ここもかなり大きなお店だった。

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会社の女の子にお土産。「世界の家」という名前だけあって、世界の色々な地域のイメージの食器や雑貨がたくさんあって、選ぶのに迷ってしまう。(って言うか、ブログの趣旨に反してるし・・・。)

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