大阪駅
2011年5月リニューアルされた大阪駅。正直なところあまり興味はなかったけれど、大阪に用事が出来たついでに立ち寄ってみた。駅ビルの基本設計はスカイツリーやポーラ美術館の日建設計、駅舎屋根はジェイアール西日本コンサルタンツ。
ホームのエレベーターを上がり改札を出るとガラス張りの連絡通路に出る。これがオープン前高らかに宣伝されていた橋上駅舎というものか。眼下にホームが見えて結構かっこいい。古いホームの屋根がなければ、ロンドンのパディントン駅のような眺望が得られたんじゃないだろうか。残念・・・。
大屋根の下、ホームと二階改札のある連絡路。そして古いホームの屋根。
古いホームの屋根が外せないのは簡単な話、雨が入り込んでしまうからだ。当初は両端の数メートルを残し全て撤去する予定で、南北の連絡路(2階の改札や時空の広場)からジオラマのように電車を見下ろせるということを売りにしていたらしい。本当にそんなこと思ってたのかなぁと不思議に思った。
建築については全くの素人なのでよくわからないけれど、パースを見た時点で大屋根だけでホームがフォローできるようには見えなかったし、駅自体の機能改善はおまけで新しいショッピングスポットをつくりキタの集客力強化を図ることに全力を尽くしているようにしか見えなかった。大体JRがHPで謳っている「南北へのアクセスの良さ」については、大阪は地下が発達しているので、もともと不便に感じたことがない。むしろ新しい駅ビルを造ったことにより必要になった通路ではないかとも思う。
私が最初に興味がなかったと書いたのは新しい商業施設が出来るという程度の認識しかなかったからで、割り切れているならそれはそれでいいのではないかと思っていた。もともと日本人は機能とデザインを両立させるのが苦手・・・というかその必要性を感じてこなかった民族なのではないだろうか。今後眺望のためにこの古いホームの屋根をどうするか検討されていくようだが、いっそのこと「もとからそんな気なかってん」と言いきって欲しいような気もする。「商売さえ上手くいったらええと思っててん!」と。駅ビルが繁盛すれば電車の利用客も増える。これは大阪を代表する商人の一人、小林一三の考え方でもある。それならそれで大阪らしくて良いと思うが、ヨーロッパの駅のような素晴らしい眺望も念頭においての改修だったとしたら・・・なんとも残念なことだ。
「時空(とき)の広場」を階段下から見上げる。空港みたいと評判の空間。
ヨーロッパの駅というより空港のイメージなのは、トンネルヴォールトではなく片流れ屋根を採用したから?
「時空の広場」の南北には金と銀の時計
おもちゃみたいな時計を公共の場に置こうとする子供っぽい感性は頂けない。材質と色が悪すぎる。ヨーロッパの駅の時計を意識したデザインであるだけに、安っぽさが目立つ。空港のようと言われる空間が台無しだ。こだわりきれないなら、機能性重視の飾り気無い時計の方がよかった。こういうディテールが意外に大事だったりするのに・・・。
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