オランジュリー美術館

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2006年に待望のリニューアルオープンが行われ、今はまだピカピカのオランジュリー美術館。何故こんなおいしそうな名前がついているのか不思議だったのだが、もともとオレンジの温室だった建物を美術館にしたかららしい。重厚な古典様式のファサードを持つ建物がまさか温室だったとは・・・こういうところがヨーロッパは凄いなと思う。それはさておき、今回のリニューアルの目的はヴァルテール・ギョームコレクションが加わった折に地下に降ろしてしまったモネの睡蓮室を1階に戻し、モネとの約束通り自然光の中で『睡蓮』を鑑賞できるようにすることだった。室内に太陽の光が満ち溢れた、オランジュリーが最もオランジュリーらしかった時代に帰ろうということらしい。このリニューアルにより、日本の地中美術館は、『睡蓮』を自然光の中で見られる世界唯一の美術館ではなくなってしまった。

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オランジュリーは世界で最初のサイトスペシフィックな美術館と言われている。モネが『睡蓮』を寄贈する条件として、一つは自然光の中におくこと、もう一つはオーバルな形の部屋に展示することを要求した。見る人があたかも水中にいるかのような気分で刻々と移り行く光がもたらす『睡蓮』の変化を楽しめるような空間を作りたいという意図からであった。今から20年程前初めてここを訪れたときの感動は今でもはっきりと思い出せる。それまでにも『睡蓮』は他の美術館や展覧会で何度も見たことがあったが、正直何がそんなにいいのか全く分らなかったのだ。

当時モネの睡蓮室は地下にあった。決して広いとは言えない1階の展示を見た後、表示に従って階段を下りる。降りるにつれて徐々に下の方から『睡蓮』の青い画面が視界に広がっていく。それは、広がるというよりも水面が競りあがって最後には水槽の中にすっぽりと包み込まれてしまうような感覚と言った方が近いかもしれない。階下につくと緩やかなカーブを描いた『睡蓮』が迎えてくれる。そのRのせいなのか壁を覆う4枚の絵がとても生き生きと躍動感を持って感じられたのを覚えている。このとき初めてモネの『睡蓮』とはこう言うものだったのかと納得したのだった。

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睡蓮室へ向かう通路

残念ながら(失礼ながら・・・)、リニューアル後モネの睡蓮室は1階に移ってしまい、入口からすんなりと入るようになってしまった。たとえが悪いかとは思うが、ダン・ブラウンの小説のようにタメがなく、物足りなさを感じてしまう(ファンの方すみません。好みの問題です)。私は以前のオランジュリーの方が良かったと思う。モネとの約束は果たせないけれど。

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睡蓮室の様子。入場制限されるので人はそう多くはない。

カルトミュゼを持っていると切符を買う列とは別にしてもらえるので、早く入れる。

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これがモネの『睡蓮』だ!過去二回見たときよりも、色がくすんで見えたのは気のせい?もしかして壁が新しくて真っ白だったからかな?

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オランジュリーは『睡蓮』だけではなく、質の高いコレクションで有名である。ルノワールやローランサン、ユトリロと誰でも知っているような有名画家の作品が多数揃っており、しかもルーブルやオルセーのように広すぎてうんざりするといったこともない程よい広さである。私のように、別段美術が好きなわけではないけどせっかくパリに来たしね、という人にはぴったりの美術館である。

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地下の様子。コンクリートの打ちっぱなしに、ほっそりとしたフライング・バットレス。同じ材料を使っても、地震のない国の建築は日本のものとは少し違う。

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MIHO MUSEUM

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10月初旬の3連休、以前から気になっていたMIHO MUSEUMへ行って来た。この美術館は京都駅の広告を見て知った。迫力ある斜張橋の写真にただMIHO MUSEUMと書かれたものだった。橋と美術館の関係がイマイチわからなかったのだが、ともかく普通の常識の枠にはまらない近代的で立派な美術館なのだろうと勝手に了解した。場所は信楽、そんな田舎に美術館を作って人が来るのかなぁと不思議に思いつつも、京都からはそう遠くないのでいつか行こうと思っていた。調べてみると設計はI・M・ペイ、あのルーブルのガラスのピラミッドを造った建築家だ。どんなモダンな建物が建っているのかとても楽しみになった。

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上の写真の橋へと続くトンネル。

美術館へは、曲がりくねった細い山道を抜けて行くことになる。駐車場に車をとめ、チケット売り場の表示促されて進むと円形広場に面した中途半端な大きさの建物に出る。チケット売り場、レストラン、ギフトショップが別棟になっているらしい。チケットを買うと、本館への行き方はわかりますかと丁寧に聞かれる。わからないようなところなのかと逆に不安になるが、行き方は別に難しくはない。ただ、本館までのアプローチが異常に手が込んでいるのだ。まず桜の並木道を進むとトンネルに出る。そのトンネルを抜けると小さな谷間に斜張橋が掛かっており、その橋の先のちょっとした高台にガラスの入り母屋造りの屋根を頂いた小さな建物がチョコンと建っているのが見える。そのちょこんとした山奥のお寺のような建物が美術館の入口である。周囲の自然を壊さないように建物の80%は地下に埋まっており、入口だけが見えるようになっている。そういう造りの美術館は結構多い。地中美術館しかり、ポーラ美術館しかり。それらの美術館はそれぞれに美しいが、この美術館ほど周囲の景観に溶け込んだものは見たことがない。それはパズルの最後のピースのように、きちんとあるべき場所にあるべき姿ですっぽりと嵌っているのだ。日本人なら誰でも思い浮かべることができるような田舎の小さなお寺。ここで初めてこの凝った長いアプローチの意味がわかったような気分になる。最初の円形広場が駅前で、坂を登ったり、トンネルを抜けたり、川を渡ったりしてやっと村の奥にあるお寺に辿り着く・・・そんな時間軸を作り出すための装置だったのかなと思った。

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美術館本館の入口。ガラスと鉄骨でできているのにこの風情。

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入口の自動ドア。中国の庭園によく使われるムーンゲートのよう。

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エントランスホール、正面の大ガラスの向こうに見える風景がいい。

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エントランスホール、確かにルーブルのガラスのピラミッドの空間を思い出す。

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天井の見上げ

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北館への通路

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北館入口の階段

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中庭がが設けられていたり、外に開く大きなガラス窓があったり、随所に木々の緑が見えるようになっていて心が安らぐ。

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大きなモザイクのある通路。

これまで自分の勝手な解釈を書いてきたが、実際の設計者の意図はパンフレットに書いてあった。テーマは桃源郷。道に迷った漁夫が桃源郷を見つけ出すという陶 淵明の物語を実現したのだそうだ。長いアプローチは道に迷った時間を表していたようだ。桃源郷というよりはどう見ても日本の質素なお寺なのだが、不思議なものである。(ちなみにペイは名前が示すように、中国系アメリカ人)

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セビーリャカテドラルとヒラルダの塔

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「中世が秋を迎える時、ゴシックも秋を迎える。しかも華やかな秋である。」丹下敏明著『スペイン建築史』の後期ゴシックの章はこのように始まる。その始まりを告げるのが、このセビーリャのカテドラルだ。カテドラルは普通大聖堂と訳されるが、これは文字通りの意味ではない。規模の大小ではなく、司教座のある聖堂を大聖堂という。とは言いながら、このセビーリャ大聖堂は規模としても世界第三位を誇っている(因みに1位はヴァチカンのサン・ピエトロ、2位はロンドンのセント・ポール寺院)。モスクを改装して使用していた旧カテドラルを傷みが激しいため新築することに決定したのが1401年、完成したのは1519年だから約1世紀の期間を要したことになる。奥行116m、幅76m。このプランはとてもゴシックの聖堂とは思えない。

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セビーリャ大聖堂を見ていると不思議な気持ちになる。明らかにゴシック建築なのに、なんだかとても大らかなのだ。おそらく前述の広いプランのためであろうか。計画を決定した僧侶自身が、後代の者に正気の沙汰ではないと思われるだろうと言った広大なプラン。ゴシックは異常なまでの垂直性を示す建築なので、普通プランはこんなに幅広にならない。この広さはモスク跡という土地の性格をそのまま引き継いだものと言われている。また、段差の少ない階段状の身廊も垂直性の軽減に繋がっていると思われる。セビーリャ大聖堂はサロン形式の五身廊でバットレス内に礼拝堂を納め、立面的には階段状の身廊を形成する。その段差は通常のゴシック建築に比較するといかにも小さく安定感があり、ゴシックの上昇志向を和らげている。周囲にはエキゾチックなヒラルダの塔が控え、隣にはイスラームの遺構であるアルカサルの城壁が広がり、街にはパームツリーが溢れている、そういったものが渾然一体となって、この大らかさな大聖堂を造っているように私には感じられた。

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内陣前の交差廊天井。ヴォールトのリブのデザインが美しい。このタイプのデザインはスペインで多く見られる。

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聖具室のドーム。ルネサンス様式なので後の増築と思われる。

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ヒラルダの塔から見下ろす大聖堂。今は変わったかもしれないが、おそらくスーパーサッカーのオープニングに出てくる教会はこれだと思う。

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馬蹄形アーチの奥にキリスト教の聖堂がある。スペインでしかありえない光景。

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夜のヒラルダの塔。ヒラルダの塔は現在は大聖堂の鐘塔だが、もとは12世紀アルモハッド族によって建てられたイスラームのミナレット。方形プランと階段ではなくスロープの使用が北アフリカとの関係を示している。地震で崩壊した頂部を西洋の様式で増築したが、これがまた不思議なもので、ゴシックとかプラテレスコとかルネサンスだとか本によって書かれていることが違う。細部までは高くてよく見えないが、ゴシックにもプラテレスコのようにも見えないのでという非積極的理由により、ルネサンス様式じゃないかと私は思っている。

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細部の繊細なレリーフはイスラーム建築ならでは。

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この大聖堂にはコロンブスの墓がある。この4人はそれぞれ当時のスペインの4つの国、レオン・カスティーリャ・ナバラ・アラゴンの国王である。かつてコロンブスを裏切った王が今はコロンブスの棺を担いでいる。

大聖堂の中はとても暗いため、ちゃんと撮れなかった・・・。

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セビーリャ・アルカサル

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私が美術館めぐりを始めたわけについては以前書いたことがあるが、セビーリャのアルカサルはそもそも建築めぐりをはじめたきっかけになった建物だ。15年ほど前に会社を辞めて1ヵ月半ほどヨーロッパを旅行した。フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、スイスをまわり最後の目的地になったのがスペイン。残りの日にちもわずかとなりあまり遠くには行けないが、バルセロナ・マドリッド以外にもう一箇所1日だけどこかに行ける・・・どこに行こうと思ってガイドブックを見たときにふと目に留まったのがセビーリャ。言葉の響きがなんかエキゾチックで素敵。今ならマドリッドからAVEで2時間半だが、当時はそんなものはない。バルセロナから夜行で入り、その日の夜にまた夜行でマドリッドへ移動するというヘヴィな日程で出かけた。その時に出会ったのがこのアルカサル。パリのノートルダムやノルマンディのモン・サン・ミシェル、ケルンのドムもヴァチカンのサン・ピエトロ寺院もバルセロナのサグラダ・ファミリア、スイスのマッターホルンも(これに感動していたら、このブログは自然遺産めぐりになっていたはず)、これがそうかーという程度の印象しか持たなかった私だが、このアルカサルに入ったと同時に建築めぐりという新しい趣味に足を踏み入れることとなった。

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アルカサルの最初の印象は、これって何だろう?だった。今まで経験したことのない異質な空間に足を踏み入れたと感じる。西洋とも日本とも違う何か別の言葉でこの建築は作られている

と直感的に思った。建築を全く知らなかったにしては正しい表現だと今にして思う。ムデハル様式で建てられたこの城は、古典主義やキリスト教中世建築とは異なる建築言語を持っている。ムデハル様式というのはレコンキスタ後のイスラーム文化がキリスト教化したものを言う。(ちなみに逆のキリスト教文化がイスラーム化したものをモサラベ様式と言う)。セビーリャのアルカサルは14世紀中頃ドン・ペドロというイスラームナイズされたキリスト教王が、イスラーム教徒を集めて建てさせたイスラーム風の建物なのだ。一説にはアルハンブラ宮殿の建設に携わった職人を集めて造らせたと言われているが、一方でアルハンブラの職人は二度と同じような宮殿が建てられないように全員殺されたとの説もあり、本当のところはわからない。私個人は後者の話はイスラーム世界に恐れを抱いていた西欧が後に捏造した話ではないかと疑っている。それはともかく、アルハンブラを模倣したと思われる箇所がところどころ存在するので、意識して建てられたことは確かだろうと思う。

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イスラームの建築にはドアがないのが普通で、部屋と部屋の間はアーチ状にくり抜かれた壁で仕切られる。この写真ではわからないが、このアーチの奥に次のアーチ、さらにその奥に次のアーチと続いていく。幾重にも連続するアーチは、まるで限りがないかのように感じられる。そして訪れる者を奥へ奥へと建物の体内へ取り込んで行くのである。

一般的に西洋の古典主義建築は柱の建築、中世キリスト教建築は壁の建築と言われている。そういう言い方をするならば。イスラーム建築はアーチの建築と言ってもいいだろう。柱も壁も空間を分断する。その分断のリズムが美を作り出す。一方アーチは空間を連続させる、重層と言ってもいい。空間を分断する列柱は、ある一つの方向を指し示し、視線を一点に誘う。そこには明快さや構築の透明性を感じる。しかしながら、空間を重層させるアーチが感じさせるのはもっと曖昧で感覚的なものだ。空間の連続の奥には闇があり、さらなる奥行きを感じさせる。終点がわからない、鏡に映る扉の中を潜り抜けているような錯覚さえ覚える。確固たる何かがあるのではなく漠然とした存在感、そんな曖昧さを私たち西洋建築を見慣れた者はエキゾチックと感じるのかもしれない。

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アーチ状の窓も美しい。下方に見えるのはムカルナスという鍾乳装飾。

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アップにするとこんな感じ。この精緻な装飾は本当にスゴイ。

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アルカサルの一番の見所は、真っ白な漆喰レリーフで飾られた乙女のパティオだろう。これがキリスト教建築の回廊ならば、柱のリズムミカルな配列やその柱頭彫刻の見事さを讃えるところだが、イスラームのパティオではやはり主役はアーチなのだ。ほっそりした二本の柱が支えるアーチには真っ白な漆喰に繊細な浅彫り彫刻を施されたパネルが乗っている。イスラーム建築では偶像崇拝が禁じられているため、幾何学模様や草花文様が否がおうにも発達する。その技術の粋たるや、筆舌に尽くしがたい。その軽やかさ、たおやかさはこれが建築と言う重くて硬いものであることを忘れそうなくらいだ。

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多弁形アーチも時代を下るとより繊細なデザインに。

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内部の着色された装飾も美しい。3つの馬蹄形アーチが思ったよりほっそりとしているのが少し意外だった。

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幾何学模様のドームはイスラームならでは。

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腰壁のファイアンス・モザイク・タイル

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同じく腰壁のタイル。こちらはラスター彩。いろいろなタイルの装飾を見るのもイスラーム建築の楽しみのひとつ。

セビーリャのアルカサルは、グラナダのアルハンブラやコルドバのメスキータに比較すると、規模としても歴史的価値としても劣るかもしれない。それでもスペインに行くなら、この城は外さないで欲しいのだ。グラナダもコルドバも建築的には滅亡してしまった王朝の文化を抱いている街だ。しかしながら、セビーリャは違う。イスラームの文化を取り込みつつもレコンキスタを完了させスペインの黄金時代を迎えようとしている一つの時代のムードを今も残している。スペイン建築はイスラームの介入により、他のヨーロッパ建築とは一線を画していると言われているが、セビーリャのアルカサルはキリスト教文化の中にイスラーム文化を融合させた。イスラームがイスラームとして存在するのではなく。その融合こそがスペイン建築の歴史をさらに魅力的なものにしていると思う。

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なにわ海の時空館

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それは実になんとなくなのだが、ウォーターフロントと言うとそれだけでお洒落な場所をイメージしてしまう。洒落たショップ、洒落たカフェ、デートにぴったりな公園・・・勝手な想像はつきないが、こと大阪に関してはそんなイメージは全くない。そこは労働の場としての港で、生活感に溢れている。このなにわ海の時空館はそのような環境の中につくられた。設計は、ポール・アンドルー。大阪湾にぽっかりと浮かぶガラスの球体は、夕陽を浴びて内包する展示室やエレベーター等の機能を浮かび上がらせる。なんとも未来的で見ているだけでワクワクする。設計者曰く、この水面に映る半球の物体はブレーへの一種のコンセプチュアルなオマージュなのだとか。なるほど、ブレーの有名なニュートン記念堂の設計案は、球体の完全性をテーマにしたものだった。まん丸な球体を地面にめり込ませただけの設計案、新古典主義の行き着くところ(新古典主義はギリシャ建築を復興させる様式のものから、純粋幾何学形態による壮大な空間の構想まで幅広い展開を見せる)。ニュートン記念堂は勿論図面だけのものであり実際に建てられることはなかったが、ブレーの時代から2世紀ちょっと経た現代においてはそのコンセプトは十分にありうるものになったのだ。

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時空館の中にはこの海底トンネルを抜けて入って行く。これはこの博物館がぽっかりと海に浮かんでいるように見せるためで、これによって球体は陸地から自由になり独立性を獲得することが可能になる。

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ドームの見上げ。中央の白い布は、江戸時代菱垣廻船のレプリカの帆である。海の時空館というのは、大阪港の歴史や海洋交通全般、様々な時代の船や海に関する展示を行う博物館なのだ。

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内部には廻船のレプリカを中心吹き抜けに展示し、その周り各フロアに3つの筒型展示室を配置している。

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海の時空館を訪れるにあたり、一つ疑問なことがあった。全面ガラス張りの建物であるということは当然温室状態になるわけで、何らかの日よけが必要になるのは必至。葛西の水族館入口のように中に全体に広がる布の日除けが張ってあったりしたら興ざめだ。雑誌の写真で見る限りそれはなさそうだったが、実際に行くと写真と違うと言うことはよくある話である。そんな私のバカみたいな心配はよそに、実際には非常にスマートにこの問題は解決されていた。ドームを見ると表面の色合いが微妙に違っている。1年の主要な時期の太陽の軌道に対応するように各ガラス面に様々な密度で組み込んだパンチングメタルの日除けを造ったのだ。太陽軌道の分析結果を割り振り、それぞれ密度の異なるゾーンを形成している。その濃淡がガラスに微妙なニュアンスを添えてとても美しい。

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夕陽の中に階段のシルエットが浮かび上がる。

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この博物館は展示物を見るだけではなく、空間そのものを楽しむことも大切にされている。展示室では海の歴史を学び、展示室の外では現在の港の姿や行きかう船の様子を眺めることができる。ガラスという透明の素材がここでも活きているのだ。今回は閉館30分前だったため建築を見るのが精一杯で、展示は全くと言っていいほど見ていない。次回はゆっくりと、展示も外の景色も楽しみながら時間を過ごしてみたいと思う。

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サントリーミュージアム[天保山]

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さて、シドニーの建築を書き終えて久々の日本の建築である。9月になり少し涼しくなったので、そろそろ国内美術館めぐりを再開しようと思い、大阪のサントリーミュージアムへ出かけることにした(結局暑かったんだけど)。この美術館は今回で2回目。1回目はちょうど1年前、まだ美術館めぐりをはじめる前で日本の建築にも近代建築にも全く興味がなかった頃のこと。随分綺麗な美術館だなぁ、安藤忠雄っぽいけど違うかなぁ等と考えながら見たのを覚えている。後で会社の人に聞くと「安藤忠雄に決まってるでしょ」と言われてしまったけど。

1年前はわからなかったが、確かに安藤忠雄の建築は一目見てそれとわかるような建物だ。このサントリーミュージアムも、中心に逆円錐の建物を置き、そこに二つの直方体が貫入するといういかにも安藤らしい構成だ。逆円錐の中には球体が内包されており、迫力のあるエントランスホールを造っている。初めて来たときには、その空間に圧倒された。ちなみに、長い方の直方体は展示室、もう一方にはカフェが入っており、美術鑑賞の後に海を眺めながらお茶など飲めるようになっている。

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逆円錐のガラス面。すっきりとした美しい空間だ。ここから外に出ることができる。外はマーメイド広場と呼ばれるところで、こちらも安藤忠雄が設計している。

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階段室から上を見上げる。

この建物は西に向いて全面ガラス張りとなっており、大阪湾に沈む夕陽を眺めることができる。この美術館の創始者故佐治敬三氏が、街で見ることができなくなってきた夕陽を楽しみたいと言う希望をもっていらしたのだとか。西日が強くて暑苦しいと感じるか夕陽が美しいと感じるかは個人差のあるところだが、たまには沈んで行く太陽ををぼんやり眺めながら1日の終わりを感じるのも悪くない。

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エリザベス・ベイ・ハウス

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この日はボンダイ・エクスプローラーに乗ってビーチでゆっくりする予定の日だった。冬だから泳げるわけではないのだが、ビーチサイドのお洒落なカフェでまったりするのもいいですよ、との旅行会社の人の言葉に乗せられて出かけることにしたのだ。このエリザベス・ベイ・ハウスはボンダイ・エクスプローラーの2番目のバス停近くにあるので、ちょっと立ち寄ることにした。

エリザベス・ベイ・ハウスは、植民地長官アレキサンダー・マクレイの住居として建てられた。設計はジョン・バージ、グリーク・リバイバルの建築だ。ファサードは均整のとれた左右対称のデザインで、ペディメントとポーティコを持つ。古典主義の要素を取り入れながらもアシンメトリーなデザインにしてしまう傾向のあるシドニーにおいて、この建物はともすると素っ気無いと感じるくらい見事に整理されている。

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エリザベス・ベイ・ハウスからの眺め。毎朝起きてこんな景色が見えたら幸せだろうな。

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玄関を抜けると、吹き抜けの楕円形ホールに出る。これは天井を見上げたところだが、この楕円のドームは外からは見えなかった。

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内部装飾はアールデコ様式。楕円のホールを囲むように、優美なカーブを描いて階段が降りてくる。

個人の家なので、当時の暮らしぶりに興味がなけらばそう見るところはないかもしれない。言ってみれば、神戸の異人館めぐりをしているような感じだった。

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ストランド・アーケード

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シドニーのジョージストリートには、QVBの他にも気になるクラシック・アーケードがもう一つ存在している。1892年にオープンしたストランド・アーケード、シドニー・ヴィクトリア様式の洒落た建物だ。今でもオリジナルのデザインを留めている唯一の建物らしい。

ストランドという名前は、ロンドンの有名な通りから名づけられた。当時のオーナーがエレガントでファッショナブルなロンドンのストランドのようなアーケードになることを希望してのことだ。

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ストランドの外観、2Fと3Fに付されたジャイアント・オーダーとノーブルな壁の色が印象的。

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上の写真上部のアップ。ジャイアント・オーダーの上に三角のぺディメント、ビルの1番上に蒲鉾型のぺディメント、その間に4Fのフロアのサイズに合った蒲鉾型のぺディメントと柱が挿入される。ギリシャ神殿のファサードのモチーフが何度も繰返されている凝った装飾になっている。ペディメントというのは、西洋建築における切妻屋根の妻側屋根下部と水平材に囲まれた三角形の部分のことである。この写真のように、一部欠けたものはブロークン・ペディメントと言ってバロック以降に生まれたものだ。蒲鉾型のものも同じくバロック以降のものだが、古典主義建築の本場イタリアではヴェネツィア以外あまり見かけない。逆にシドニーではポピュラーなように感じられるのは、やはり新しい街だからだろうか。

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ストランド内部

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天井ガラス部。細部の装飾も洒落ている。

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それぞれのショップの窓にはステンドグラスがはめられている。

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ガイドブックに必ず紹介されているダイナソー・デザイン、樹脂素材で制作された食器やアクセサリーのショップだ。パディントンの店しか書いてない本も多いが、そんなに遠くまで行かなくてもここで十分。

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階段室もステキ

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中央の三角破風を持つ木製のドアはエレベーター。こういうのもシックでいい。

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シドニー中央郵便局(GPO)あるいはウェスティンホテル

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QVBからジョージストリートを海に向かって歩いて行くと右手に気になる時計台が見えてくる。実は私は階段好きなだけでなく、時計も大好きだ。この立派な建物はなにかしらと思って中へ入ると、そこはウェスティンホテルだった。今回の旅行はぎりぎりで予約を取ったため、ホテルを選ぶ余裕もなく調査不足だった。こんなかっこいい建物だったとは、迂闊だった。

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現在高級ホテルとして生まれ変わったこの建物は、元はシドニーの中央郵便局だった。設計はジェームズ・バーネット、19世紀のヴィクトリア様式で、立派な時計塔はやはりビッグベンを思わせる。

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ホテル内の階段

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上の階段を登ると古典主義的な空間が待っている。

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ロビーには赤いポスト。建物の歴史を偲ばせる。

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砂岩造りの古い建物と近代的なタワーがあり、ガラスのアトリウムで繋がれている。

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長いポーティコはヨーロッパにいるような気分にさせる。永遠の歩行者天国マーティン・プレイスに向かって開かれる空間は、洒落たムードを漂わせている。

このホテルのスウィートは、元郵便局長の部屋でとても豪華らしい。「もと○○を再生して」という歌い文句に弱い私・・・。一度泊まってみたい。というか見学だけでもさせて欲しい。

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シナゴーグ(シドニー)

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セント・メアリーズ大聖堂を見た後、ハイドパークを横切ってタウンホールへ行こうと思ったら、公園沿いの道に不思議な建物を発見。ゴシック・・・でもない・・・ロマネスク・・・でもない?なんだか、普通の西洋建築とは違うルールに従って建てられているような・・・。何だろうと思って表示を見ると、不思議な文字が刻まれている。あぁ、シナゴーグか!残念ながら、中には入れなかった。見たかったなぁ。

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先頭アーチの中にバラ窓。周囲にはこったレリーフが施されている。

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入口の半円アーチ。鉄の柵も手が込んでいる。

シナゴーグはスペインやブダペストでも見たけれど、別段独自の様式を持っているというようには見えなかった。それぞれその土地の文脈の中で考えてよいものなのだろうか。スペインのシナゴーグはトレドとコルドバという土地柄のせいかイスラーム風だったけれど。とても気になるが、何を調べればいいのだろう?

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シドニー・タウン・ホール

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1889年に建造されたタウンホール。古典主義の躯体に大きな時計塔 と少々違和感を感じるこの建築の様式は、ヴィクトリア様式というらしい。19世紀ヴィクトリア女王時代の建築を言い、社会の急激な変化に対応しきれなかったため新しい様式を生み出すことはなく、過去の種々の様式を取り入れた。初期にはこのタウンホールのように古典主義が多く取り入れられたようだ。

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タウンホールは入場無料で内部の見学もできる。

ここでの収容人数では少なすぎるため、オペラハウスの建設計画が持ち上がったのだった。わかりにくいが、1番奥にはオーストラリアで最も大きいパイプオルガン、今でも現役。

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青を基調にした豪華なホールの内装

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ドームは楕円形

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タウンホール内のバー、イベントが特にないときでも営業している。ちょっといい感じ。

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夕暮れのタウンホール。ライトアップが暗い・・・。

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時計塔・・・なんだかロンドンのビッグベンに似ている気がする。

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クイーン・ヴィクトリア・ビルディング

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シドニーである意味最も期待していた建物がこのクイーン・ヴィクトリア・ビルディングである。1984年に19世紀の歴史的建物を改装しショッピング・センターとして再生。QVBという略称で親しまれている。設計はジョージ・マクレー、ビザンチン様式のドームとロマネスクの半円アーチを併せ持つ豪華な建物だ。

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QVBはとても大きい。有名ブランドショップやコスメ、ギフト等200軒以上の店舗が軒を連ねる。

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QVB正面。ピエール・カルダンが「世界で最も美しいショッピング・センター」と言ったとか。

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外観の壮大さもさることながら、この建物の1番の魅力はモダンな内装にあると思う。「モダニズム」という意味のモダンではなく、モデルニスモ的意味合いのモダンである。つまり、ミースやル・コルビジェではなく、もう少し前のガウディくらいの時代の感じ。近代の幕が開けて、ガラスや鉄等の新しい素材が世に溢れ、産業革命が人々の暮らしを変えていった時代。何に詳しいわけではないが、近代以降の建築は特に勉強不足なので認識に誤りがあるかもしれないが、アールヌーヴォーやアールデコの香りをより強く感じるのだ。

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夜と昼の明るい時間帯ではまた表情が違う。

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中でも最も魅惑的なのは階段室だ。優美なカーブを描く階段は、単調な繰り返しではなく登っていく毎に形を変え、景色を変える。上下運動を伴う階段は、建築においてある種ダイナミックな仕掛けとなる装置な訳だが、その性質を遺憾なく発揮していると思う。

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この手摺の凝ったカーブ・・・。

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入口のすぐ前を階段が横切るため、ロマネスク的意匠を施した柱頭を真近に通って階上へ上がっていくことになる。少し不思議な感覚。

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階下を見下ろすとこんな感じ。

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階段を通して大きなステンドグラスが見える。

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夜来たときは真っ暗で何も見えず、ただ階段の美しさだけ感じて帰ったのだが、昼に来るとこの通り。

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ロマネスクの重厚感と鉄とガラスのもたらす軽快さの対比が見事だ。

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1番上まで上がると、ステンドグラスで覆われたドームにたどり着く。

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このステンドグラスに覆われた洒落たドアは、実はトイレへ通じている。ドアの上に「GENTS」の表示。

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エレベーターのドアもステンドグラスで洒落ている。中の階数表示や照明もいい感じだった。

結局シドニー滞在4日間、QVBにはほぼ毎日来てしまった。建物見学は当然ながら、ショッピングとしてもいい感じの店が入っていたし、お洒落なカフェの少ないシドニーにおいてここはなかなかいいムードでティータイムを過ごせる貴重なスポットだった。

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ロックス

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開拓時代の街並みが残るロックス。1788年囚人と軍人を含む約1000人を乗せたイギリスからの移民船がサーキュラキーに到着。そのときの船長アーサー・フィリップがこの地をシドニーコープと名づけた。その後、この周辺が岩地であったため、ロックスと呼ばれるようになり、現在に至っている。

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ケン・ドーンギャラリー。カラフルな色使いでオペラハウスやハーバーブリッジ、コアラと言ったオーストラリアのモチーフを描いて人気のあのケン・ドーンのである。原画やポスター、シルクスクリーンなど多数展示。併設のショップではTシャツやタオルなどおみやげ向きのグッズを販売している。

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ケン・ドーンギャラリーの入っている建物の正面。レンガ造りのいい感じの建物だった。

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キャンベルズ・コーブ・ストアハウス。元はスコットランドの商人キャンベルが造った倉庫で今はお洒落なカフェやレストランが入っているようだ。

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土日にはマーケットが開かれている。この日は丁度土曜日だったので覗いてみることにした。質の高い手工芸品が多くお土産探しによいかも。ただ、シドニーは今空前のバブルで物価が高い。東京なんて比じゃないほど高い。ちょっと納得いかないので、ここは見るだけに・・・。

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ガラス細工や金物細工、商品は色々あって楽しい。

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ロックスで有名なStickyというキャンディショップも店を出していた。これはハーバーブリッジとSYDNEYの文字の入ったもの。225gで600円くらい。高い。でも買っちゃった。可愛いし・・・。この店ではウェディング用や企業用のネーム入りキャンディを作っているのでも有名。ウェディング用は上下に二人の名前、真ん中にハートマークが入っていてとても可愛い。ちなみに、可愛いだけでなく、なかなかおいしかった。

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シドニー.オペラハウス

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お盆休みを利用してシドニーに行くことにした。休みの期間で行ける所を探した結果なのだが、学生時代にシドニーの夜景にとても憧れたことがあったのをふと思い出した。中でも一際目を引いたのが、白い帆を幾重にも広げたとても優美で近代的なオペラハウスだった。こんな形の建物があることが当時の私にはとても衝撃的だったが、今改めて写真を見直してみてやはり凄いと思った。オペラハウスが着工したのは1959年と意外に古い。そんな昔にこんなシェル構造の建築が技術的に可能だったのか。現に存在するのだから可能だったのだろうが、やはり驚く。

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コンサートホールのロビー。

オペラハウスは1時間のガイドツアーで見学できる。これが日本語版だと何故か30分になる。コンサートホール、オペラ劇場、ドラマシアター、プレイハウス、スタジオシアター、レストランからなる。設計は当時無名のデンマークの建築家ヨーン・ウッツォン、このコンペには全世界から233件もの応募があった らしい。実は彼の案は一次選考で早々に落選していたのだが、選考委員の建築家サーリネンの強い支持を得て最終選考に復活し、結局当選してしまった。

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ロビーから天井を見上げる。まるでクジラの体内にいるようだ。

彼の斬新なシェル構造を持つデザインは、やはり当時の技術力ではどうやって建てればよいのかわからなかった。当初の案では今の鋭角的なものではなく放物線の断面をしていたが、シェルの重さや海風の圧力をいかにして支えるべきか解決していなかったらしい。様々な検討の末、放物線形状は放棄された、シェルをすべて同じ半径の球面の組み合わせによって構成し、全体にリブを入れて補強し構造上の問題をクリアすることができた。

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屋根と内側の建物の接合部。

試行錯誤を繰り返し完成したのは予定より遅れること10年。その間一度出来上がった土台を一からやり直す等掛かった費用は予算700万$に対して最終的には1億200万$と14倍にも膨れ上がった。途中その責任を負わされるような形でウッツォンは辞任し、完成したオペラハウスを彼は一度も見ていないと言う。オペラハウスは、内部にもう一つの建物を内包したような設計になっているが、その内部はウッツォンの後任としてオーストラリア人の建築家が引き継ぎ完成させることになる。

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階段からはハーバーブリッジやロックスが眺められる。

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幾重にも並べられる板状の木が作る壁面。この波うち方が美しい。Operahous12

上の写真の階段を上がると、海側が眺められる。窓を斜めにしているのは、船の中にいるような錯覚を起こさせるためだとか。コンサートの休憩時間にはここはバーになるのだそうだ。また、年越しイベント時には、ここから港に上がる花火を見ることができる。

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コンサートホール内部。ここは撮影禁止なので絵葉書で。内装がすべて木でできているのは、音の響きをよくするためだそうだ。ウッツォンの希望ではこのメインのホールで交響楽団もオペラもすべて使用できることを考えていたようだが、それぞれ音の響く長さが違うため結局ホールは別に分けられることになったのだそうだ。交響楽団の演奏なら2.2秒、オペラなら1.3秒とのこと。

ちなみに、このオペラハウスは360度に席が広がっており、貴賓席は設けられていない。最も高価な席は勿論舞台の正面の前の方。最も安い席は、舞台の後ろ側。オーケストラの後ろ側になるため音がずれて聞こえるのだそうだ。しかし、人気があるのも後ろ側の席で、理由は指揮者がよく見えるから、そして演奏後に後方の打楽器奏者達と話をすることができるからだそうだ。「のだめカンダービレ」風に言うと千秋様が良く見えるということね。

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舞台の上に浮いている透明の円盤状のものは、音を反射させる装置なのだそうだ。天井の高いこのホールでは音が吸い込まれてしまって演奏者に音が聞こえてこないため、この円盤状のものに反響ささせて音を押さえるのだそうだ。今時のアンプを使うようなものならそこまでする必要がないため、この円盤は高く上げられ、クラシックコンサート等であれば低く下げられる。

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オペラハウスの白い帆は白いタイルから作られているのだった。知らなかった。

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週末にはヨットがたくさん浮かんでいる。一際大きな帆を広げているのがオペラハウスだ。

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ミセス・マッコリース・ポイントからのオペラハウスとハーバーブリッジ。よく絵葉書になっているのはここからの夜景。

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那須歴史探訪館

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栃木県芦野、石の美術館のすぐ近くの高台に同じく隈研吾設計の那須歴史探訪館がある。おそらくお寺であろう古い建物に増改築を行って資料館としたようで、かつての表門が裏となっている。街道から発展した那須の歴史をVTRや展示品で見せるこじんまりとした歴史資料館である。

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資料館のエントランス。でも実はここからは入れない。この資料館、入口が少しわかりにくい。建物に入ろうとして奥に進むとそのまま、かつての表門に出てしまい、裏庭へと自然に案内されてしまうのだ(1番上の写真)。庭の竹の風情や庭の奥にある展望台からの芦野の眺めを楽しんでから資料館へ入れるようにとの建築家のちょっとした企みだ。実際の入り口は表門をもう一度くぐってすぐのところに、小さな和紙を貼った引き戸があり、そこから静かに入る。

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受付から外を眺める。このあたりでは石の蔵が殆どで白壁の蔵は珍しい。

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この資料館は馬頭広重美術館にそっくりだ。違うのは、天井やガラス壁を覆うのが藁和紙という平面的な素材を使っているところ。

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平面を使っていても、透ける素材で建物に「軽さ」を求めるのは同じ。

先にも書いたが、この資料館は馬頭広重美術館を小さくしたような建物だ。そちらの完成度が高いだけに、少し残念だ。展示内容もかなりサビシイので、私としてはあまりオススメできない・・・。

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屏風岩石蔵

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大谷石資料館へ行く途中、石切り場のある地域の入り口にあたる大谷橋というところに、威風を誇る西欧風の二つの蔵が建っている。屏風岩石材の石蔵である。設計は渡辺陳平、西蔵が明治41年、東蔵が明治45年に建造されている。初期の本格的な石積の蔵で、構法や意匠等後の大谷石の倉に影響を与えたと考えられている。

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西の蔵はは座敷蔵。

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西蔵の窓。上部はアーチ状、両脇には細い円柱状の付け柱。

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東蔵は穀物蔵。こちらの窓は上部は水平で、付け柱は角柱。

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西の蔵の入り口。

この階段を挟んで向かい合う二つの蔵は、対照的なつくりとなっているのがとても興味深い。屋根は寄席棟と切妻、窓の上部もアーチ状と直線、付け柱は円柱と角柱、小屋組みは和小屋と洋小屋・・・素材以外同じものはないのではないだろうか。大谷石資料館までいくのなら、是非とも立ち寄っておきたいところだ。

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宇都宮美術館

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JR宇都宮駅からバスで約25分。新興住宅地を抜け終点の緑深い公園で降り、起伏のある原っぱを抜け最後に階段を上ると、ようやく宇都宮美術館に到着する。館内にいる方がより実感するのだが、森の中に抱かれているような格好の美術館だ。設計は岡田新一。26ヘクタールもの広さを持つ「うつのみや文化の森公園」の中にあり、周囲の景観に配慮した低層建築、外壁には土地の石材大谷石と外部の自然との一体化を実現するガラスが使われている。「森林浴する美術館」とでも呼びたくなるような美術館だ。

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エントランスへのアプローチの柱の大谷石。中庭に面した方向だけ波型にカットされている。

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玄関ホールの小窓から。

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入り口入ってすぐの資料室。

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大谷石とガラスでできた通路を抜けて展示室へと向かう。明るくて気持ちがいい。

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光と緑に溢れたホールを中心に3つの展示室が繋がっている。

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緑に囲まれた眺めの良いレストラン。カフェとして利用したのでよくわからないが、なかなか良さそうな感じだった。夜10時までと美術館閉館後も営業している。

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コレクションはマグリット、クレー、シャガール等20世紀以降の美術やデザイン。昔パリで絵葉書を買ったクレーの「上昇」はここにあったんだと今頃知った。15年の歳月を経て、実物に出会えることができて少し嬉しかった。

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神奈川県立近代美術館 葉山

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お天気の日にしか行ってはいけない美術館がある。それが神奈川県立近代美術館葉山である。(株)佐藤総合計画設計のこの美術館は、公式HPによると4つの特徴があるらしく、そのうちの二つはお天気でなければ意味がない。その4つというのは1.自然との調和 2.機能性 3.動線への配慮 4.海を眺めるレストラン。1と4を満喫するためには、お天気であることは重要だ。

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この美術館は眼前に一色海岸、背後に緑濃い三ヶ岡山と自然に囲まれて建っている。周囲との調和を保つため、建物の高さを10m以下に押さえてあるのだそうだ。上の写真の窓は私が行ったときは閉められていたが展示によっては開けられるようで、展示室から海が見える世界でも珍しい美術館となっている。海が見える美術館が珍しいということ自体今回初めて気づいた。確かに塩を含んだ空気が室内に入るのはよくないだろう。この美術館では塩害を起こさないために二つの工夫がされている。一つは、展示室の気圧を常に外より高く保つこと、二つ目は外部に繋がる扉は二重にすること、衛生管理者試験の有害物質の発生する場所での勤務の項を思い出すような解決法だった。

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中庭から海を眺める。ガラスのキャノピーと海の水平線が重なる。建物の白と海の青の対比が美しい。

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エントランス・ロビーの天井トップライト。

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中庭を臨む休憩室。目線の先は三ヶ岡山。左にはやっぱり海が見える。

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これが海の見えるレストラン。 ゆったりと鑑賞の余韻に浸る場所として考えられたようなのだが、この美術館はJR逗子駅からバスで20分強、周りには何もない。当然ながらお昼の時間は大変混みあう。お腹空かせて待っている間に、余韻もなくなろうというものだ。そんな悲しい目に会わない為には、11時くらいに着いて腹ごしらえをしてからゆっくりと美術鑑賞をするのがいい。邪道な気もするけれど、最近このパターンが最も時間効率が良いことに気づいた私だった・・・。

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とここまで書いてきなんだけれど、実はこの美術館少しがっかりだった。というのは、写真で見たときは白とガラスの透明感があいまってとても美しく見えたのだが、中は気圧の関係で大丈夫だとしても建物の外観は塩の被害を十分に感じさせるものだったからだ、残念。

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神奈川県立近代美術館 鎌倉別館

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神奈川近美の本館を見た後、そのまま別館へと向かう。別館へは坂道を登ること7分程度、結構遠い気がする・・・。本館に遅れること約30年、常設展示スペースと収蔵スペース拡充のために建てられた。設計は大高正人、前川國男建築事務所にいた人らしく、この建物壁面には打ち込みタイルが使われている。本館や葉山のように華々しく取り上げられることはないけれど、結構おもしろい建物だった。

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玄関ホールすぐのところに階段があり、2Fが展示スペースになっている。ガラスの中に和紙のような素材のものが入っていおり、自然光を和らげている。

実は、大高正人という建築家を始めて知った。菊竹清訓や黒川紀章、槙文彦とメタボリズム・グループを結成した人だったんだ。

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神奈川県立近代美術館 鎌倉

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鎌倉、鶴岡八幡の混みあった参道を抜け社殿へ入る手前で左の木立へ入って行くと蓮池の向こうに真っ白なボックス型の建物が見える。これが戦後モダニズムの金字塔、コレを知らなければこの筋ではモグリだと言われる神奈川県立近代美術館「カナガワキンビ」である。設計は坂倉準三、日本で最初の公立の近代専門美術館で、1951年に開館した。かれこれ半世紀前の建物だ。

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この美術館の正式な入り口は、若宮大路の反対側にあり、蓮池からはぐるりと美術館の側面を回って辿り着くことになる。ここへ来て「ああこれが噂の大階段かぁ」と思う。西欧で言えばガルニエのオペラ座や日本で言えば上野の国立博物館のような大きな正面階段を権威の象徴として批判的だったのがモダニズムの建築家であったはず。なのに、どうしてこんな大きな階段をファサードに作ったのか。この階段はその謎ゆえに有名で、私のような建築素人の耳にも聞こえてくるほどだったりするのだ。

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カナガワキンビでもう一つ有名なのが、この向き出しのH型鉄鋼。柱と梁の織り成す水平と垂直の構造美をむき出しの鉄鋼で見せたのは坂倉準三が世界初なのだそうだ。この写真は外なので、当時の技術では雨の処理が上手くできなかったため梁は中に隠されているのだが、室内の部分では梁は外に出され、柱と垂直に交わっている。

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外から見ると白いパネル張りばかりが目に付くのだが、1F部分には大谷石が使用されており、趣を異にしている。

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この美術館は正方形の中庭を中心に、周囲に展示室やその他の部屋が取り巻くように配置されている。中庭の壁面は勿論大谷石。一部正方形の穴が網目上に穿たれており、軽快さを感じさせる。

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穴の開いた壁面を中から見るとこんな感じ。実は木漏れ日のように床に光を落とすのかと思っていたのだが、壁が思いの他厚くくっきりと正方形に切り抜かれた光が闇の中に浮かんでいる。

コレクションは日本の近代絵画を中心に約9500点。彫刻や西欧版画も豊富。ジャック・カロを多数収蔵しているはずなので、楽しみにしていたのだけれど、私が行った07年の5月には全く展示されていなかった。かなり残念・・・。

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群馬県立館林美術館

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GW後半は関東の建築巡りに終始した。1番目は高橋靗一(ていいち)設計の群馬県立館林美術館。館林駅より多々良駅から歩いた方が近いようだったので、美術館には裏側からのアプローチとなった。民家と畑の中を歩くこと15分、工場と見間違いそうな飾り気ない美術館の背中が見えてくる。

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この美術館に来てまず初めに驚くのは、その敷地の広さだ。館林側からアプローチすると、まず敷地の周りを囲む多々良川にかかる橋を渡る。渡り終わると青々とした芝生が眼前に広がり、その奥に敷地いっぱいに腕を広げるかのように、美術館が緩いカーブを描いて建っている。これだけの敷地に一切の凹凸なく、ただただ横への広がりを見せるプランは、とても伸びやかで爽快だ。こういうのをプレーリースタイルというのだろうか。

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天井までガラス張りになった三日月型の通路は全長なんと180m!ガラスの向こうに見える白い丸石敷きの部分はもともとは水が張られていた。水をキレイに保つことが難しかったのか、今は入り口のわずかな部分を残して、殆どの水は抜かれていた。とても残念。

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彫刻の展示がされている展示室1は独立した棟となっており。ガラスの通路で繋げられている。

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これが展示室1、何故かここだけが凹凸の激しい赤い石張り。前の植栽部分と建物を合わせて見ると丁度正円になる。この建物の天井は微妙なカーブが付けられていて、まるで月の満ち欠けを見ているようだ。

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エントランスホールから中庭を見る。

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エントランスホールから玄関のアプローチを臨む。水が張られているのここだけ。

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一面に芝生の広がる中、わずかに作られた林。気持ちの良さそうなベンチまである。ここが日本だということを忘れそうだ。

この館林美術館は2000年にオープン、「自然と人間」をテーマに調和、共生、対峙等様々な関わりを表現した現・近代美術をコレクションしている。彫刻ではフランソワ・ポンポンが有名。ぶんぶく茶釜伝説で有名な館林にポンポンの美術館なんて少し笑える・・・。また、後でパンフレットを見てわかったのだが、私にとっては思い出深いラウル・デュフィの「電気の精」もここにあるらしい。中学の時に美術のテストで画家と作品名を10点あげるという問題があって、最後の一つにラウル・デュフィの「電気の精」を記入したところ、×がついて返ってきたことがあったのを、久しぶりに思い出した。どうして、×になっていたのか改めて不思議なのだが、当時の学校教育ではデュフィは芸術とは認められていなかったのかもしれない。かれこれ30年も前の話だから・・・。

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国立民族博物館

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ゴールデンウィークなので結構混むかなぁと思いつつ、国立民族博物館へ開館30周年記念特別展「聖地★巡礼 自分探しの旅へ」に出かけることにした。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼には以前からとても興味があって一度歩いてみたいと思っているのだが、未だ夢叶わず、メドすらたっていない。やはり、定年退職後のお楽しみになるのかなぁ・・・と旦那に言ったら、「そんな頃にはそんな体力ないって」と冷たくあしらわれた。

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中に入るとすぐにスタンプ帳が渡される。アア、ナルホド。エル・カミーノ(サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路のこと)では、途中途中の教会やアルベルゲで歩いた証としてスタンプを押してくれる。この展示場でも一人のフランス人の巡礼者の旅を追いながら自分も一緒にプチ巡礼を楽しむことができるということらしい。なかなか良い企画だ。ちょっと嬉しい・・・。

展示の中では、実際に巡礼をした人や教会、みやげ物屋・アルベルゲ等巡礼路関係者のインタビューデータも見ることができる。かなりの数なので全部見なくても何時間かかかってしまう。やはり司教さんは説教しなれているせいか、どの教会の方もお話が上手だ。みんなのインタビューを見るのはかなり厳しいということであれば、司教さんを中心に見てみるといいかもしれない。

このインタビューを見ていると、歩こうと思った理由は人様々で、本来の目的であるはずの宗教的理由をあげる人は全体の40%にしかならないそうだ。後の60%は文化的な理由や自然を楽しみたいとかスポーツとか、もっと違った理由らしい。ただ、実行するきっかけになったのは、大切な人の死や一つの仕事を終えたからといった何らかの転機を経験したことに起因するケースが多いように思えた。確かに定年退職も一つの転機だものね・・・。

実際に歩いてみたら、何が得られるんだろう。経験がないからわからないのだけれど、サンティアゴ・デ・lコンポステーラの司教さんが印象的なことをおっしゃっていた。「エル・カミーノを歩いているとすぐに、歩くために必要なものはそう多くないことに気づく。たくさんのものを持っていても重いだけで、かえって歩きにくくなる。人生も同じ。生きていくために必要なものはそう多くはないのだ。」巡礼の旅に出たら本当にそんな気持ちになるのだろうか。だとすると、今の私に1番必要なのはスペインへの航空券に違いない(笑)。

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国立民族博物館の設計は、若き日の黒川紀章。パティオを内包した矩形の建物を複数組み合わせた、個々の独立性の高い空間構成になっている。

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ムンディ・アニムス大塚

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梵寿鋼設計のマンションが巣鴨にもあるというので見に行ってみることにした。巣鴨の駅から徒歩5分くらい線路沿いに歩いてつきあたりを左に曲がると怪しい建物が見えてくる。「ムンディ・アニムス大塚」という名前の梵寿鋼のマンションだ。

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1F窓の下のモザイク、これは雪の結晶?

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窓の下のモザイクはそれぞれ模様が違う。これは太陽か。

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エントランスの足元には亀のモザイク。

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エントランスからのぞいたところ。こうやって見ると、ガウディのモザイクというよりもコズマーティ風な感じがするのだけれど・・・。

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上の写真の階段を上がったところ

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上の写真の階段をおりたところにあるドアのガラス部分。孔雀の姿が彫られている。奥に繊細な模様のステンドグラスが覗く。

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エントランスからからの見上げ。妖しい女性の像が宙を舞っている。「ムンディ・アニムス」というのはどこかの言葉で「精霊の家」という意味だと聞いたような聞かないような・・・。

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エントランスから微かに見える2F。どんな感じになっているのか気になる・・・。

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エントランスの吹き抜けにはルネサンス期に好まれたような古典趣味な衣装を着た女性が描かれている。この女性達も精霊なのか・・・。

それにしてもクドイ装飾のマンションである。よくわからないが、海の生物や波頭のようなモティーフ、ステンドグラスにある炎、モザイクや天井のガラス模様に描かれる太陽や星そして豊かな大地を思わせる植物の絵。「精霊の家」だから火・水・空・土といった4大元素を表しているといったところか。どんな人がこんなマンションに住んでいるのかやはり気になるところである。

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ドラード早稲田

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たまたま見た雑誌に妙な建物が載っていた。そのときは時間がなくて、東京にあるマンションだという以外何も確認できず、何となく気になる気持ちだけが残ってしまった。後でネットで検索しようにも全く手掛かりがない。どうしたものか考えた末に思いついたキーワードが「日本のガウディ」。検索してみると見事にヒット。設計したのは、梵 寿鋼(ぼんじゅこう)という建築家。本当に「日本のガウディ」と呼ばれているらしい。探している建物は、どうやら早稲田鶴巻町にあるようなのだが、詳しい場所はわからなかった。「ぷらぷらしてたらあった」という証言を頼りに、ともかく出掛けてみることにした。

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結局のところ、その変なマンションはぷらぷらしていたら見つかった。通りの向こうの方に、変な肌をした建物が見えたので近づいてみるとまさしく探していたマンションだった。ファサードのうねり具合、うろこ状の模様、バルコニーの鉄の細工、ガウディのカサ・ミラとカサ・バトリョを足して2で割ったような建物だ。

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破砕タイルの使用もガウディみたい。

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エントランス下のタイルのモザイク

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エントランスもおどろおどろしい・・・。

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エントランスから中へは細く、暗い通路を通る。ドアのデザインもおどろおどろしい。

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暗く細い通路の先のロビー。変な手のオブジェがぶら下がっている。

日本にある建築とは思えないような、おもしろいマンションだった。あまりにもガウディに酷似しているとは思うのだが、それはカタルーニャの大建築家へのオマージュと理解すればいいだろうか。それにしても、見学するのは楽しいけれど、ここで生活するのはキツイかなぁ。

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地中美術館

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ベネッセハウスに1泊した翌日、地中美術館の開館時間に合わせて出掛けた。できるだけ混んでない状態で、あわよくば誰もいない状態で、モネ室が見たかった。地中美術館はもともとモネの「睡蓮」をを購入したことがきっかけで作られた美術館で、他の2人のアーティスト、デ・マリアとジェームズ・タレルもこの「睡蓮」を今の視点から解釈するために選ばれたのだそうだ。この3人のアーティストの作品によって、地中美術館は時間を感じる美術館であり、刻一刻と変化する光を感じる美術館になっている。

地中美術館の建築家は、言わずもがななのだが安藤忠雄である。瀬戸内の自然の中に溶け込ませたいということで、建物は地中に埋めてしまった。外観のない建物はそもそも建築なのか・・・とか、そもそも安藤は建築家としてではなく4人目のアーティストとして登場するのだ・・・とか、色々言われている。何かの雑誌に、この地中に埋められた美術館というコンセプトが古墳を思わせるという話が書かれていた。ある芸術家によると、作品は作リ手の手を離れた時点で死に至るらしいので、美術館に「死」のイメージを持たせるのはある意味正しいのではないかというのだ。それを読んだときは結構疑問を感じたのだが、行ってみるとわからなくもないような気がしてきた。今回の地中美術館の採光は殆どが自然光で、その取り入れ方の工夫が随所に見られる。「三角形の中庭」を囲むゆるいスロープの勾配に沿って走るコンクリート壁のスリットからシャープな光が入る、地下1階ロビーではコンクリートのスリットから漏れてくる光が壁面をヴェールのように覆ってあたかも壁面全体が発光しているかのように見える。不要なものを削ぎ落として光と影だけで建築を作る、まるで南仏のシトー派ロマネスクの修道院のようだ。シトー派と言えば、厳しい戒律で知られており、余りの厳しさに平均年齢が28歳位だったそうだ。彼らは一切の装飾を排除した修道院の中でひたすら「死」を見つめて生活していたと聞くので、「死」のイメージというのはやはりアリなのか・・・。展示されている「睡蓮」は、生命感に溢れているのだけれど、「死」を見つめることは裏返せば「生」を考えることにもなるから、それはそれでいいかと取りとめもなく考えてしまった。

最後に、一つだけ不満を。美術館側としては、建物も作品だという理由で写真撮影を禁止している(上の写真はベネッセハウスから遠景)。そもそも建築家にとって設計した建物は当然作品だし、建築が芸術であることもルネサンス以来定着した考え方で今更主張されなくても異論はない。ただ、建築は絵や彫刻と違って、使われるという用途が必ずある、もっと身近なものだ。作品だから写真禁止だなんて、いつから建築はそんなお高いものになってしまったのか。後で写真を見ながら、「ココ行ってきたんだよ、綺麗だったよ」という楽しみ方ができる方がもっといい美術館になると私は思う。

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ベネッセハウス

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地中美術館がオープンして以来、直島にはずっと行ってみたいと思っていたのだがなかなか宿泊が取れず、今年2月の3連休にやっと訪れる機会に恵まれた。出張の帰りに行ったため島に着いたのは日もとっぷり暮れた19時頃。街灯もロクになく暗くて細い曲がりくねった道を、ベネッセハウスに向かった。設計は安藤忠雄。ベネッセ・コンテンポラリー・アート・ミュージアムは、安藤忠雄には珍しい乱石積の建物だ。

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シリンダー状の空間に下りるゆるいスロープ、先は階段になっている。降りたところには、ナウマンのネオンアート「100生きて死ね」がある大空間。

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レストランに面した屋外の展示場

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本館からアネックス(オーバル)へは、小さな電車のような乗り物が結んでいる。上の写真はアネックス側の乗り場。右のガラスの通路を通ってオーバルの建物に入る。

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小さな電車はこんなところを登って行く。なかなかの急勾配をゆっくりゆっくり登る。こののんびり感が直島タイム。まずは、島の時間に体を慣らすことからはじめよう・・・。

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乱石積の乗り場からガラスの通路を通ってアネックスに入る。ここはいつものPCコンクリート。

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アネックスの中庭を上からみたところ。天井は植栽されており、夏になれば周囲の自然の中に溶け込んでしまう。

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中庭の夜。夜はまた違った表情。

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今回の宿泊は「ミュージアム」。本物の芸術作品と宿泊できるのがこの施設の売りだが、それよりも値段を下げてくれた方が嬉しい・・・。

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部屋はかなり広い。窓の外には瀬戸内海が広がる。

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バスルームはタイル張りの素朴なデザイン。バスタブから一段下がったところにシャワールームがある。

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バスルームと寝室の間の窓。この窓を開けて、部屋のカーテンを開ければ、その向こうに海が見える・・・はずなのだが、バスタブの中に座ってしまうともう見えない。残念。

美術館としてではなく、宿泊施設としてのベネッセハウスはちょっと?な部分が残る。値段の割りに、室内のインテリアが安っぽかったり、食事場所がホテル内レストランくらいかないのだが、それがまたおいしくなかったり。ホテル内でも何を食べたいかにより別棟のレストランへ行くことになるのだがそこには車に乗らないといけないので、お酒を飲む場合はホテルの車で送ってもらわないといけないとか・・・何となくいろいろあるのだ。しかしながら、美術館に泊まるというワクワク感は、そんな「いろいろ」に勝る。朝起きてちょっと廊下を歩いたら、そこにもうリチャード・ロングがあったり、外を散歩すれば青い海を背に草間弥生の黄色いかぼちゃが浮かんでいたり、時間に捕らわれずに美術作品と触れ合うのはこんなに心地良いことなのかと初めて知った美術館だった。

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奈義町現代美術館

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磯崎新の奈義町現代美術館に行ったのは、今から2年前の春でした。安藤忠雄の地中美術館がオープンして1年位の頃で、サイトスペシフィックな作品を置く美術館というものをその頃初めて知りました。そのとき地中美術館の説明の引き合いに出されていたのが、先にオープンしていたこの奈義町現代美術館で、設計は磯崎新だというので見に行ってみようと思ったのでした。今では珍しくもないですが、オープン当時の日本では初めてくらいの試みだったのではないでしょうか。3つのボリュームがそれぞれの芸術家の作品を収める鞘堂となっています。奈義山の麓の清々しい立地も魅力です(不便だけれど)。

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美術館エントランス。ここは美術館、図書館、レストランなどの施設の集合体です。そもそも町民の方が利用するために建てられたので、1Fには町民のギャラリーもあります。

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カフェスペースからは、宮脇愛子の「うつろひ」そして「大地」「月」「太陽」の各展示室が望めます。奈義山が借景として取り込まれた素敵な空間です。

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「うつろひ」この奥が「大地」の部屋です。

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太陽の部屋

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月の部屋

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月の部屋の平坦な部分は、中秋の名月の22:00の方向を指しています。写真はその先端の窓。

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同じ棟にある図書館の窓

ここには荒川修作+マドリン・ギンズ、岡崎和郎、宮脇愛子の4人のアーティストの手になる作品が半永久的に設置されています。正直に言うと現代美術は難解で私はどうも苦手です。見ていればいつか何か感じる日も来るのでしょうか・・・。

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渋谷区立松涛美術館

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渋谷区立松涛美術館は閑静な高級住宅街にひっそりと建つ美術館です。コレクションを持たず、小さいながらユニークな企画展で知られています。設計は白井晟一、戦後日本を代表する建築家の一人です。

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ファサードには、荒く割った砂岩をそのまま全面に使用。凹凸が激しい石は表面に深い影を落としています。

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階段の手摺に網が使用されています。珍しい・・・。

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螺旋階段を上から見下ろしたところ。折り返しが極端に少ない、凝った曲線の階段です。

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手摺の曲線のアップ。この凝りようはスゴイ。

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微妙な楕円の吹き抜けがあり、その楕円の半分を囲むようにギャラリーがあります。

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吹き抜け部にかかる橋

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橋の上から見上げたところ。

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吹き抜けを囲む通路はこんな感じ。白井晟一は独特の暗い内部空間と極端に強い造形性で知られています。私は白井晟一は本の中で名前だけを知っている建築家で、今回初めて実作を見ました。確かに濃いデザインですね。

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姫路文学館

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姫路城の前の通りを西へ5分も歩くと先ほどの喧騒が嘘のように静かになります。この姫路文学館は、姫路城のある姫山と対になっている男山という小高い山の麓に位置し、そのアプローチは姫路城からまっすぐに入るのではなく、一旦民家を迂回して180度方向転換してから入るようになっています。文学館を少し通り過ぎることになるので、道間違えたかなぁ、時間損したかなぁ、などと思いながら急ぎ足で入り口へ向かうのですが、ふと顔を上げると道の向こうにどーんと姫路城が見えるのです。ア、ヤラレタ・・・。

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手前側に建っているのが南館。先にできた北館との対比で、こちらはガラスと鉄でできています。浅い水盤にガラスの箱が浮かんでいるようで、涼やかです。

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こんなところで、1日ぼんやり本を読んで過ごしてみたいものです。

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上の写真を中から見たところ。館内の撮影禁止と書かれているので、受付の方に展示室以外も撮影禁止かきいたところ、事務所に届け出れば展示室の撮影も可能とのことでした。氏名と連絡先を記入すると撮影許可の腕章がもらえます。

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随所に光を入れる工夫が見られます。

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「光と、それを受け止める壁、それを考えるだけで建築がつくれることを確信した」安藤忠雄の言葉です。改めて建築とはなんだろうと考えさせられます。

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北館は、高さの違う二つの立方体が相互に貫入し、その立方体の周囲を円形で囲むというデザインになっています。上から見ないと良くわからないですね。

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二つの立方体が重なるところ

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内部の展示室、外部の立方体のデザインがそのまま取り込まれてグリッド状の壁面を形成しています。

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螺旋状の緩やかなスロープを上りながら、展示室を巡ります。

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暗い展示室を出て再び外へ。文学館の敷地内には大正時代の建物があり、この既存の木造建築を残しながら地元の哲学者、文学者の資料館を増築するというのが、もともとこのプロジェクトだったらしいです。安藤の文学館とは、カスケイド挟んで新旧の対比を成しています。迎賓館にするという話だったようですが、使われているのでしょうか。

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姫路市立美術館

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姫路城の東側に赤レンガの美しい姫路市立美術館があります。この辺りは姫路城を中心に、県立歴史博物館や姫路文学館があり、一大文化ゾーンを形成しています。

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美術館ファサード。この建物は明治末期~大正2年に建てられた旧陸軍の兵器庫・被服庫だったものを保存・活用したものです。左肩に姫路がちょこんと乗っているのはいいのか悪いのか・・・。

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庭園の緑と赤レンガの色が好対照をなしています。ただ、内部はすっかり改装されており全く味がないことが残念です。

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小さいながらもコロー、クールベやモネ、ユトリロ、マティスといった近代フランス絵画の常設展はなかなかいいです。200円で見られると思うとかなりお得感がありました。

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兵庫県立子どもの館と桜

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兵庫県立子どもの館は、安藤忠雄がはじめてランドスケープまで手掛けたことで知られています。当時(1987年)の日本では、建築の設計者がランドスケープまで手掛けることは殆どなかったそうです。本館と工作館が中間広場を介して直線で繋がれています。

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安藤建築には水が効果的に使われている例が多い。谷口吉生の水盤が建築のあちら側とこちら側を仕切るためのものだとしたら、安藤の水にはどんな意味があるのだろうと考えてしまいます。

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本館の中心の円を抱え込むように配された階段

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コンクリートの滑らかな断面とその壁が作る光と影が、神々しい空間を現出させます。

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帰り際に振り向くと、今までなかった金色の光が階段の闇の中に落ちていました。ハッとするような綺麗さなんですよね。建築は見る時間によって全然違う表情を見せます。刻々と移り行く時間をその建物とともに過ごさないと本当のその建築の魅力を見ることはできないのかもしれません。

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子どもの館の向こう側にはダムによる人工湖が広がっています。

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円形劇場

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円形劇場からの眺め

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多柱空間の中間広場

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工作館

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対岸からの中間広場。子どもの館は自然の中に埋め込むように建てられています。安藤忠雄が、建築は10年もすれば周囲の自然に埋もれてしまえばいいと言っていましたが、まさしくそのような感じです。

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姫路城のソメイヨシノのピンク一色も良かったのですが、山桜の葉の赤さや新緑の緑と色とりどりの山肌はなんとも言えない美しさでした。

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子どもの館は姫路駅からバスで20分程度のところにあります。2時間に1本しかないのでなかなか不便なのですが、この時期には訪れる人も少なく(そんなことではダメなんでしょうけど)、静かにのんびりとした時間が過ごせます。

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彫刻の森美術館

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ポーラ美術館の帰りに彫刻の森美術館に行きました。300点に上るピカソコレクションやヘンリー・ムーア、ロダン、ジャコメッティ、ヴァンジ等々多数の彫刻を見ることができます。ピカソについては、絵画や版画だけでなく珍しいジュマイユや陶器、銀製品、タピストリー多彩な作品が展示されています。ジュマイユというのはガラス絵の具のジュモウを使って制作されたものです。私はここで初めて見ました。

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彫刻の森美術館はヘンリー・ムーアのコレクションでも知られています。26作品を順次公開しています。彫刻はよくわかりませんが、ムーアの作品はなんか可愛らしいから好きです。

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「幸せを呼ぶシンフォニー」ステンドグラスの塔です。

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昼は外の光が中に、夜は中の光が外に。

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2年前に足湯がオープン。疲れた足にぴったりです。石のでっぱりで足つぼマッサージもできます。これが効くんだなぁ・・・。

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帰りの小田急小田原駅。小さいけれど随分カッコイイ駅でした。

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ポーラ美術館

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青春18切符の旅2日目です。この日は以前からとても楽しみにしていた箱根のポーラ美術館。天井も壁も全身にガラスを纏い周囲の自然に溶け込む姿は、なんともしなやかで優しい。設計は日建築設計の安田幸一氏。バスを降りてすぐのアプローチブリッジを渡り美術館へと入って行きます。

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入り口を入るすぐに下へ降りるエスカレーターが。まるで谷底へ降りていくような雰囲気です。それもそのはず、この美術館は傾斜面に半ば埋められるような形で建っているため、入り口が建物の1番上になってしまうのです。この美術館は富士箱根伊豆国立公園内にあるため建物の高さは8メートル以下という規制があります。そのため、ボリュームの大半を地下に埋め込んでしまったのです。こうした制約が逆に素晴らしいデザインを導き出す・・・だから建築はおもしろい。

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天井ガラスの上を水が流れ、不思議な模様を作ります。

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エスカレータを降りて下から見上げるとこんな感じ。

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館内のカフェ。箱根は思いの他遠く少し疲れたのでいきなり休憩。カフェも白で纏められていてお洒落な雰囲気。椅子の半透明感も壁の磨りガラスとマッチしています。ちなみに上のフロアにあるレストランもいい感じでした。見た目も味も良く、使いであります。

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ここに座っていると丁度エントランスからエレベーターを降りてくる来館者が見えるのですが、案外皆まっすぐに展示室に直行されるものなんですね。こんなに綺麗な美術館でも、あまり足を止めてじっくり見ていく人はいませんでした。

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この美術館を最も魅力的にしている要素は、この磨りガラスの壁にあると思うのです。ガラスの内側にライトが仕込まれていて、ふんわりと白い光が漏れてくる・・・。この「ふんわり」とした感じがとても良い。ガラスなのに冷たいムードにならず、とてもしなやかな美術館になっています。

ところで、この美術館のコレクションは凄い。フランス印象派やエコール・ド・パリの西洋絵画を中心に日本の洋画、日本画、陶磁器、ガラス工芸品等多岐に渡り、その数なんと9500点。今は「花の絵画」と「エミール・ガレ」の展覧会を開催。9月17日までだそうですが、とてもよかったです。特にガレ展には一緒にドーム兄弟の作品も展示されており、見応えのある内容でした。ちなみに、この美術館の照明は全展示室照明デザイナーが手掛けているそうです。何でも印象派を中心としたコレクションを最も美しく見せる光を模索したところ、「7月のパリの夕暮れ」の光に近いものとわかり色温度を決定したとか。わかるようなわからないような話ですが、そんな照明にも注目の美術館です。

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旧水海道小学校本館

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水戸芸術館から偕楽園へ行く途中、県立歴史博物館の前を通りかかりました。その敷地内にこの旧水海道小学校本館がたっています。明治14年水海道市横町の住民の寄付で地元の棟梁羽田甚蔵により建てられたものだそうです。明治時代に建てられた木造西洋建築の遺構は国内に幾つか残っていますが、いずれも独特のムードがあっていいですね。

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斜めからのプロポーション。現在は下見板張りになっていますが、竣工当時は漆喰壁だったのだとか。

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内部の見学も可能ですが、1階のみになっています。

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水戸芸術館

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青春18切符を購入したので、東京からそこそこ遠くほどほどに近いところへ行こうと思い決定したのが水戸芸術館。磯崎新設計で以前から一度見てみたいと思っていたのでした。ホールと美術館とが一緒になったもので、エントランスホールでパイプオルガンの演奏会も開かれるとのこと、まさしく芸術館なわけです。水戸駅から歩くこと15分程で、三角形を積み重ねた特徴的な銀色のタワーが見えてきます。できた当時はピカピカで近未来的なイメージだったんだろうなぁと思いを馳せながら塔には登らず、芸術館本体へ。 

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タワーに登るのは200円。ボーイスカウトらしき子供たちが登って行きました。

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エントランス前のモニュメント。岩を支えている金属棒がもう少し細いか、数を減らせられたらもう少し浮上感が出たのでは・・・。岩の背中にあるピラミッドは展示室の屋根です。

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エントランスホールの吹き抜けは圧巻。古代ローマのアトリウムを意識した空間になっています。1階は角柱、2階は円柱で、オーダーを構成するエンタブラチュアや基壇はカットされ柱身部分だけが抽出されています。クラシカルでありながら斬新、不思議な感じです。

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これもピラミッドを思わせる階段。

ここの展示品を見て、図らずも磯崎新の言っていた美術館のあり方について考えてしまいました。美術館には3つの種類があり、一つは古いコレクションを見せるもの、二つ目は19世紀~20世紀半ばまでの作品を見せる近代美術館、三つ目は20世紀半ば以降の現代美術を扱うもの。これらの分類に対してそれぞれコレクションを持つものと持たないで展示だけするものの二つのタイプのものがあります。ドイツではそれを美術館と展示館に分けているそうですが、日本では一括りに美術館と言われています。この芸術館はコレクションを持たず、現代美術を扱うタイプになるようです。この現代美術というのが曲者で、近頃の風潮では「これはアートだ」と言ってしまえばアートになるという感じなのですね。言ったもの勝ちというか・・・。それでも、私のように別段芸術的センスに恵まれない者でも辟易するような作品まで展示するのはどうかと思うのです。「へたうま」な絵というものはあるけれど、それは本当に「へた」なものとは違う。言ったもの勝ちでアートを名乗ることは、本当のアートの死を招く結果になりかねません。展示スペースを運営する側ももう少し展示作品に責任を持ってもらいたい、でなれば入場料は無料かせいぜい300円程度にすべきと思う。無料であれば好き勝手に展示しているだけなので、アートという名称に傷がつくことはない。美術館のあり方を憂える磯崎新の建築でまさしくその事態が発生しているとは皮肉なものです。

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国際子供図書館

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「これって安藤忠雄?」 東京上野公園内にある国際子供図書館を目指して歩いていたとき、前方にガラスブロックの入り口を持つ建物が見えてきたので、あれがそうだろうと言ったところ旦那が不思議そうにしていました。現代建築に特別興味がなく、京都で学生時代を過ごした40代前半の私達にとっては、安藤忠雄=コンクリートの打ちっぱなし。コンクリートの打ちっぱなしは安藤が初めてやりはじめた位に思っているわけです(勿論そんなことはない)。古典的な西洋建築にガラスのエントランスを持つこの建物が、安藤忠雄だとは・・・なんかイメージ違う・・・という感じなのです。安藤建築には、ガラスのものも木の素材のものもあるのはわかってるんですけどね(笑)  

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この図書館は1906年に帝国図書館として建てられたものを保存・改修して利用、その改修部分に携わったのが安藤忠雄なのだそうです。昨年建造100周年を迎えた建物で、記念のHPが立ち上げられていました。 

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エントランス、このガラスブロックが旧帝国図書館を斜めに突き抜けて、後ろのカフェに繋がります。 

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階段の手摺の裏にガラス板がはめ込んであります。

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こんな感じ。

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上の写真の階段室の窓

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ペンデンティブやコーニスといった西洋古典の建築言語が使われています。

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3Fの通路部分、ここが建物の裏側にあたります。

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ここはコンクリートのうちっぱなし。

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2F通路。古い建物を包み込むように改修工事が行われています。SANAAの西沢立衛が「古いものは造ろうと思っても造れない」と言っていますが、古い建物に手を加えてさらに魅力的なものにしている良い例だと思います。

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改修部分の階段室。上の写真の通路の奥にあります。

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 旧帝国図書館部分とは対照的にガラスと金属でスタイリッシュに。

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改修工事が行われた裏庭に面した部分。コンクリートの打ちっぱなしにガラスのカーテンウォール。こちらから見るといかにも安藤忠雄。

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入り口の反対側に挿入されたガラスブロック部分はカフェになっています。セルフサービスのカジュアルなものでした。

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大山崎山荘美術館新館

Oyamazaki1 大山崎山荘の新館は安藤忠雄が設計しています。もともとの山荘の景観を壊さないように新館は地中に埋められました。このアイディアのもとになったのは、大阪中之島にある大阪市中央公会堂の保存案「アーバンエッグ」なのだそうです。公会堂の老朽化が激しく、解体するか修復するかはたまた増築するのか検討されているときに、安藤忠雄が頼まれもしないのに勝手にプロジェクトを立ち上げました。その時に考えたのが「アーバンエッグ」で、卵型のホールを公会堂の中に挿入して全体を補強しようというアイディア。細かいことは全然わかりませんが、そのとき作成された図を見るとわくわくするような案で、実現しなかったことがとても残念です。後にそれを見たアサヒビールの当時の社長の樋口氏が、大山崎山荘にアーバンエッグを入れてくれと依頼に来たらしいのです。さすがに大山崎山荘でこの構造は無理だったので、地中に埋めるという案に落ち着いたととのことでした。なんだかおもしろい話です。  

   

Oyamazaki2 大山崎山荘への道を上がっていくと、本館より先にこのコンクリートとガラスの建造物に出会います。 

      

           

   

Oyamazaki3_1 ガラスの窓が山崎の自然を絵のように切り取っていきます。 

 

      

        

         

         

   

Oyamazaki4_2 この建造物はただ通路なのではなくて、階段になっています。新館は地下にもぐっていますので当然なのですが、中に階段が仕込まれているとは 知らなかったら気づかないのではないでしょうか。ガラスの向こうにかすかに見える四角の入り口は、足の不自由な方のためのエレベーターです。

  

Oyamazaki5 この階段を降りるとモネの「睡蓮」が展示されている新館です。最初横から感じられる陽の光がだんだん上から降ってくるようになります。その感じが少しオランジュリーに似ているのです。徐々に潜っていくような感覚。上から睡蓮のある池の表面を眺めるのではなく、水の中に入っていくような感覚。視線の位置が睡蓮の花と同じ高さにまで降りていって、見るというよりも感じるという感覚なのです。     

  

Oyamazaki6 通路の長方形と新館の円、この位置ではわかりにくけれどエレベーターの天井は正方形。とても安藤忠雄らしい。この新館の曲面に「睡蓮」が掛けられています。曲面に展示されているのはアーバンエッグがアイディアの元になっているからでオランジュリーを意識した訳ではないのでしょうが、安藤がオランジュリーを知らなかったはずはないので少しは念頭にあったのでしょうか。     

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大山崎山荘本館

Oyamazakihon1_2  今日は代休が取れたので大山崎山荘美術館へ行ってきました。以前からこの美術館の評判は聞いていたのですが、あまりに近すぎたためか場所からして小さい美術館だからと侮っていたというか・・・。今日にしても本当はサントリーミュージアムのダリ展を見に行くつもりだったのが遠くまで行くのが億劫になったため、安藤忠雄建築繋がりで、この美術館を訪ねることにしたのでした(右のガラスとコンクリートの通路が安藤さん)。なんと言っても自宅からドアtoドアでおよそ30分の距離。近い。毎日通ってはいるが降りたことは一度しかない大山崎の駅を降りて、竹藪を横目に見つつ山道を少し登ると目指す山荘美術館に到着するのでした。     

 

Oyamazakihon2_1 大山崎山荘は大正から昭和初期にかけて造られたイギリスチューダー様式の味わい深い建物です。創設者は加賀正太郎、ニッカウィスキーの設立に参加していた人です。10数年前にアサヒビールの当事社長だった樋口氏が購入、なのでアサヒビール大山崎山荘美術館というのが正式名称のようです。大山崎は昔から水が有名で近くにはサントリーのウィスキー工場もあります。工場見学もついでに行ってみるのも楽しいかもしれません。    

      

Oyamazakihon3_4 入り口から1番奥に2Fへ上がる階段があります。この山荘は階段が本当にキレイです。階段好きにはたまりません。          

          

         

          

           

         

   

Oyamazakihon9_2 手摺の描くカーブがなんとも優雅。 

 

    

 

       

Oyamazakihon4 ステンドグラスと天井のレトロなライトが泣かせます。      

           

       

    

 

Oyamazakihon5 ステンドグラスとライトと置き時計、大正ロマンです。どこを切り取ってもきれい。  

   

         

           

         

          

  

Oyamazakihon7_1 上の写真の左に写っている時計。小物の一つ一つが味があります。  

       

    

    

      

     

 

       

Oyamazakihon6 階段を上がった右手の格子を透かして見える照明。          

      

      

    

 

Oyamazakihon8 2Fホール。この空間が秀逸なのですが、綺麗に写すことができないのが本当に残念です。

     

    

     

Oyamazakihon11 これはオルゴール。決まった時間になると音楽を奏でます。懐かしい優しい音色でした。まぁ、オルゴールだから当然なんですけど。こういうレトロな建物で聞くとなかなかいいですね。        

      

         

        

      

    

Oyamazakihon12 2Fのホールは吹き抜けになっていて見上げるとこんな感じ。右の黄色ガラスの微妙な風合いが素敵でした。   

      

      

   

Oyamazakihon15 ちょっと角度を変えてみるとこんな感じ。    

      

     

 

  

Oyamazakihon13 1F、この部屋は庭へ通じています。建物は西洋建築だけど、庭は純和風でした。 

    

    

    

Oyamazakihon14_1 上の写真の部屋から庭へ出たところ。ちなみに庭へ入ることはできません。   

      

    

    

Oyamazakihon16 1Fの上の写真と反対側にある部屋のガラス。微妙な配色の綺麗なガラスなのです。2Fのカフェも同じタイプでピンクのものでした。   

    

 

    

Oyamazakihon20 2Fカフェのテラス席。ここからの眺めは圧巻です。若き日の加賀正太郎はヨーロッパ遊学時にウィンザー城を訪れその時に眺めたテムズ川の記憶をもとに、この木津・宇治・桂の三川が合流する大山崎に山荘を建てたと言われています。このテラスからも川の眺めが良く見えます。桜の頃などとても良さそうでした。私も何となく早春のウィンザー城からテムズ川を眺めたのを思い出しました。そこでも、桜にに似た白い花が咲いていました。    

Oyamazakihon19_1 テラスの天井を見上げると、こんな所に作り酒屋の印が・・・。    

       

       

  

Oyamazakihon21 2Fカフェ。アサヒビールだけあって、ソフトドリンクだけでなくお酒も置いていました。特製のワインにたっぷりつけたケーキというのもありました。     

        

        

        

       

     

     

Oyamazakihon22 山荘に行くはこんな竹藪の横を通ります。山崎の隣の長岡京は筍が有名です。しかし、今日は平日なのにぞくぞくと観光客らしい人がやって来ていたのには驚きました。実は有名な美術館だったんですね。灯台元暗しとはこのこと・・・。     

   

 

      

         

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東京国立博物館本館

Tokyohaku1_2 東京国立博物館本館、ここには法隆寺宝物館が目当てだったのですが、せっかくなのでちょっと寄ってみることに。もともとはジョサイア・コンドルが設計した旧館が関東大震災で大きな被害を受けたため、昭和13年昭和天皇の即位を記念して建て直されたのが現在の本館。西洋風のコンクリートの本体に日本風の自社仏閣のような瓦屋根がのっている・・・そういうのってどうかしら・・・私はあまり好きじゃないなぁと思いながら中に入りました。後で調べたところ、このような建築を「帝冠様式」と言い、例はあまり多くないようですが京都市美術館や愛知県庁・名古屋市庁がそれにあたります。昭和初期に流行し、当時は日本風というとこの帝冠様式のことを言い、帝冠様式でなければ通らないコンペもあったようです。軍事施設にもよく使用されたようで、ナショナリズムに直結したデザインというイメージを受けました。日本のゴシックリバイバルといったところでしょうか(ヨーロッパではナショナリズムというとゴシックであることが多い)。  

Tokyohaku2_2 本館の設計は渡辺仁。当時には珍しく歴史主義から昭和初期モダニズムまで多岐にわたるスタイルの建築を手がけています。本館の中に入ると、バロックを思わせるような大階段がホールを支配しています。迫力あります。階段状の時計に使われているモチーフはこの館の随所に見られます。      

     

    

          

Tokyohaku3_1 上から大階段を見下ろす。

       

         

      

 

Tokyohaku6_3  西洋風の階段に和風のライトがおもしろい。             

                           

            

  

  

        

Tokyohaku4_1 踊り場のステンドグラス。        

           

           

 

    

         

          

 

      

Tokyohaku5_1 このガラスの天井からのトップライトが大階段を照らし出します。     

        

        

       

       

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シャンデリアも和風      

         

         

            

    

Tokyohaku8 照明が本当に凝っていてキレイです。ちょとアールヌーボー風?      

         

         

       

      

Tokyohaku9 レトロな邸宅のようなムードの部屋。ここから庭が見えるようになっています。        

       

   

      

            

Tokyohaku12 上の部屋の壁は優しい草花文様で覆われています。写真ではわかりにくいですが、実はタイルでできています。凝っています。          

           

              

        

 

Tokyohaku11  重厚な扉。ここにも草花文様の装飾が施されています。        

             

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豊田市美術館

Toyota1_3  名古屋出張のついでと行ってはなんですが、豊田市美術館を訪れました。土門拳記念館と並ぶ谷口吉生の代表作。名古屋駅から地下鉄・名鉄を乗り継いで約1時間。意外に遠いのに驚きました。美術館はその性格から、街中の喧騒から外れたところに建つものが多く、異邦人には少々訪ねにくいことも少なくありません。      

          

    

 

Toyota2 表面は二枚の合わせガラス。内部空間にはこの曇りガラスを通して柔らかくなった陽の光が差込みます。美術館は自然光が入るのを嫌うと言いますが、この程度なら大丈夫なのでしょうか。それとも、紫外線がカットできるガラスなのでしょうか。          

               

 

  

    

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美術館入り口から。傾斜のある立地のため、私のように駅から徒歩で訪ずれた場合、美術館の裏側から入ることになり、入り口にはワンフロア階段を下りることになります。でも、地下じゃなくて1Fなんですよね。なので、1番上の写真の水盤は2Fにあることになります。       

            

            

       

Toyota4 上の写真の開口部のアップ。中は階段とその踊り場のようなちょっとした休憩スペースが収められています。この窓の開け方がカッコイイです。      

         

                

     

                 

Toyota5 上の写真の内部。椅子に座れば左手に水盤と緑が見えます。              

                 

       

         

            

Toyota6_1 1Fに下りる階段。ガラスに金属の手すりがシャープです。            

             

               

              

    

       

Toyota7  上の階段を下りたところ。           

           

             

             

    

            

Toyota8 ここを奥に行くとレストラン。遅い時間に行ったため、もうs閉店してました。美術館券を持っていなくても利用できるらしいです。            

                  

                

   

         

Toyota9 美術館の2F展示室から常設展に入るには、ここの通路を通ります。美術作品を見続けるのは結構疲れるもの。ちょっと外の空気を取り入れるような工夫がされています。           

          

            

         

Toyota10 徒歩で来ると美術館の裏から上がってくることに。左の出っ張り部分が上の写真の通路です。       

             

           

      

              

Toyota11 美術館本館と高橋節郎館の間には鏡を使った作品が。スレートのキャノピーやガラス壁の直線を映しこんでちょっと不思議な感覚に・・・。       

           

              

  

       

Toyota12   高橋節郎館入り口。           

             

              

               

     

Toyota13 高橋節郎館内部。  高橋節郎のコレクションはなかなか良いです。豊田市美術館は基本的にはコレクションは少ないようですが、クリムト、エゴン・シーレ、ダリと言った誰でも知っているような有名な画家のものがあります。私が行ったときは丁度豊田展をやっていました。市の主催のものには珍しく、全国から応募ができるからなのか「豊田市美術館」という展示施設が良いためか、毎年かなり多数の応募があるそうです。

                

       

      

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東京国立博物館・法隆寺宝物館

Horyu1_1 東京国立博物館は5つの建築郡からなり、それぞれ興味深い味のある建物となっています。この法隆寺宝物館は中でも最も新しく1999年に完成したものです。設計は日本で美術館を作らせたら最も上手いと評判の谷口吉生。ムダのないすっきりとしたデザインです。この日は、展示室は全室閉室でエントラスンスとレストランのみの利用となりました。とても残念です。          

      

            

Horyu2 透明感のある水盤が訪れる者と建物の間を仕切っています。豊田市美術館にも土門拳記念館にも使われている手法です。平等院や金閣寺といった日本古来の建物の前に大きな池がよく設置されていますが、それには現世と来世を仕切るという意味合いがあるそうです。近代的なデザインの中に、昔からの和の心が見え隠れします。      

        

      

          

Horyu3 水盤の中のアプローチ。水面の高さとのバランスが程よい緊張感を感じさせます。これは建物側から見たところ。           

                

             

     

           

Horyu4_1 エントランスロビーは2Fまでの吹き抜け。ルーバーのストライプが視線を上へと誘います。                     

                  

                 

         

             

Horyu5 近代的なのに懐かしい空間。軒下と格子という伝統的なモチーフがガラスと金属という新しい素材で表現されています。             

        

               

      

         

Horyu6 エントランスの見上げ。トップから来る光がここで調節されています。    

        

          

               

  

Horyu7_2 モノトーンの中に赤い椅子が二脚。キレイなフォルムです。

             

              

  

            

Horyu8_5 階段上からロビーを見下ろす。             

            

            

             

     

 

            

     

Horyu9_2 蹴り上げ部はガラスになっています。透け感のある階段室に。             

     

         

            

         

 

    

            

Horyu10_1 2階からの眺め。2階には展示室と資料室があります。今日は展示室は入れなかったため、受付の方に展示品のカタログを見せて頂きました。展示品のガラスケースも谷口吉生が制作したそうです。      

            

       

           

Horyu11_4 階段の下を抜けたところがレストラン。中だけではなくテラス席もあります。ホテルオークラ経営なので、値段は少しお高めですがおいしく頂けました。博物館入り口で入場券をもらえばレストラン・カフェだけの使用も可能なようです。私はランチだったのわかりませんが、デザートもおいしそうでした。      

   

           

 

Horyu12_4 レストランテラス席横の見上げ。空が切り取られて額縁に収まったよう。この博物館のコレクションは、法隆寺が天皇に献納した7世紀の宝物を含む300件余り。今日は閉室だったため、来客者はレストラン使用の人と建築目当ての学生さんくらいでした。機会があれば、また来てみたいものです。    

     

       

    

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福井県立恐竜博物館

Kyoryu1 福井の勝山市というところに福井県立恐竜博物館はあります。設計は黒川紀章。森の中にポコンと銀色の卵が落ちているかのうような外観。子供の頃に見たウルトラマンの世界に迷い込んだようで、なんだかワクワクしてきます。FF10でティーダとワッカが「大きな動物は男子一生のアコガレ」と言っていましたが、こんな光景を見ているとその気持ちもわかるような気がします。                                                     

                                   

   

Kyoryu5 中に入ると意識しないのですが、博物館は3つの材質の違う棟からできています。金属の卵と入り口部分のガラス棟(このガラスの裏側がファサードでレンガとコンクリートになっている)、そしてその間をつなぐ通路的な部分(室内では大ホール)がコンクリートの打ちっぱなしです。

        

 

                      

Kyoryu3 上のガラス部分の反対側を形成しているレンガとコンクリート壁。こちらがファサードになりますが、この博物館の外観で最も印象が薄いのがこのファサード部分になります。これも紀章お気に入りのフラクタル曲線になってますが、フラクタルというよりもただのナミナミではないのでしょうか。疑問です・・・。     

           

                                                        

Kyoryu7 コンクリート部分と金属の接合点・・・とても気になります。ちょっと覗いてみました。案外簡単に打ち付けてありました。そんなもんなんですね。        

             

             

            

        

              

       

   

Kyoryu2 博物館横の人工的に作った丘の上から見たところ。円錐と楕円の幾何学的形態が少し面白い。この円錐は外から見るとわからないのですが、実は楕円形をしています。                             

             

             

 

Kyoryu6 円錐は入り口と卵を繋ぐ大ホールの屋根の上についています。これはホールから天井を見上げたところ。楕円形の円錐になっています。                           

                   

                  

          

Kyoryu11 ホールも楕円状になっています。あくまで卵形に拘っています。            

              

                  

      

                  

Kyoryu4 楕円形のホールにあるエスカレーター。真ん中の長いエスカレーターを降りて卵型の展示室の入り口に到達します。 カッコいいです。上からエスカレーター全体像を見るとまるで恐竜の足の骨のように見えます。             

                  

               

             

                

           

     

                    

Kyoryu8_1B1のボーンベッド。この円の両脇にぐるりと階段が配されていて1Fも展示室へ向かうようになっています。          

              

           

                  

                        

Kyoryu9 1Fの展示室。色々な種類の恐竜の骨格が展示されています。展示室はどこもやたらとスタイリッシュ。恐竜博物館ということで客層は子供連れの家族が多かったのですが、大人も十分に楽しめる博物館でした。デートコースにもオススメです。                 

              

                

                

                

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美術館めぐりを始めたわけ(国立新美術館)

Shinbiju1_2 黒川紀章設計の国立新美術館は2006年1月21日にオープンしたばかりの名前の通り真新しい美術館。波打つガラスのカーテンウォールが印象的なファサードで私には衝撃的だったのですが、フラクタル曲線はあの妙な円錐同様黒川紀章の代名詞だったのですね。オープン記念の特別展として黒川紀章展が開催されていて、多数の写真や模型、黒川語録の展示が見られました。これまで近代建築に全く興味がなかった私でも、とても興味深く見ることのできる内容でした。そこでふと思いついたのが「そうだ。美術館へ行こう!」海外の古い建築にしか興味のなかった私ですが、近代建築もなかなか楽しいではないか。年一度しか大好きな建築を見に行く機会がなくつまらない思いをしていたけれど、国内の美術館なら週末の休みを利用して見に行くことができる。-という訳で2006年1月26日、めでたく新しい趣味を始めたのでした。                

                                  

          

Shinbiju2 円錐を逆にしたものの上にあるレストランとカフェ。巷では空中に浮いたレストランと言われているそうです。実際には、円錐の尖った部分は当然カットされているので、かなりしっかりと建っている印象。「宙に浮いている」というような浮遊感は残念ながら全くありません。ちなみに円錐の中は厨房らしいです。                           

            

                             

                 

Shinbiju8 この逆円錐は二つ内包されており、3Fのものがレストランで2Fのものがカフェになっています。ファサードがこの円錐を包み込むように曲線を作っているので、レストランのある方は曲線が上の方で膨らんでおり、カフェ部分のファサードはは下方が膨らんで下膨れの印象です。                

           

                    

Shinbiju6    日が暮れてから逆円錐を見上げるとこんな風。ファサードの曲線に沿って流れるライトがいい感じです。                  

                            

                           

             

                    

Shinbiju3      トレードマークの円錐は美術館の入り口。地下鉄千代田線乃木坂から来ると裏口から入るようになるので、ここは通りません。こうやって内側からファサードの影を見ていると確かにキャットウォーク・フレーム・ルーバーが少しうるさいかもしれません。もっとツルンとしたデザインの方が良かったかも・・・という声も聞きますが、基本的には私はこのデザインは好きです。

              

          

Shinbiju5_2 夜、階上から見る円錐。表から見ると奇妙この上ないけれど、こうやって見ると綺麗かも・・・。                         

                           

               

                    

                           

Shinbiju7_1 夜の新美術館ファサード。この美術館はコレクションを持たず、企画展と情報収集・発信を行う新しいタイプの美術館。10以上の展覧会が同時に開催できるよう、あらゆる意味で機能性を重視した建築を目指したそうです。   

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梅窓院

Baiso1 外国人用の東京のガイドブックを見ていたら、隈研吾設計の建物を発見しました。Baisoinと書いてあり、お寺のような名前だけれどどう見てもお寺には見えない。ホームページで調べてみたら、「梅窓院」と書くそうでやはりお寺でした。寛永20年(1643)徳川家康公以来の家臣、老中青山大蔵少輔幸成公が逝去の時、 青山公の下屋敷内に13,247坪の地を画して側室を大檀越として建立されたそうで、歴史は新しいけれど由緒正しいお寺のようです。古くなったので立て替えたらしいのですが(H15年6月)、どう見てもどこかのオフィスビルにしか見えない・・・。キレイだけれど、それでいいのか。いくらバリアフリーで誰でもお参りしやすい門戸の広いお寺を目指したと言っても、京都人の私には信じられない出来事です。最初はお寺ではなく葬儀会館だと思いました。                                                                

Baiso2

銀座線外苑前駅を出るとすぐの所に参道があり、そこだけがかすかにお寺らしい風情を残しています。東京には他にも現代風に立て替えたお寺があるらしいのですが、そちらの方が断然良いとの話を聞いたことがあります。早稲田にある観音寺、石山修武設計なのでちょっとクセのある面白いデザインなのではないかと想像しています。伊豆になまこ壁を使った濃いけれど日本的な美術館を建てていましたよね。機会があれば一度見てみたいです。                                   

それにしても、上記の外国人用のガイドブックはなかなか凄いです。都会に飽きたら地方にも足を伸ばしてみようというページがあり、挙げられているのは雪の函館と直島の地中美術館。それは遠すぎるやろっと思わず突っ込んでしまいそうになりました。考えてみたら、ローマに旅行した日本人がコモ湖を訪れるような感覚なのでしょうね。でも、「東京」というガイドブックなのにな・・・。

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ちょっ蔵広場

Chokura5 馬頭広重美術館へ行く途中、氏家駅の一つ手前の宝積寺駅、ふと顔を上げると網目状のルーバーが特徴的な蔵がポツンと建っているのが目に入りました。あれは他でもない、隈 研吾の「ちょっ蔵ホール」ではないですか。「宇都宮からほど近い」とは聞いていたのですが、正確な場所もわからないし、ネーミング変だし、駅前の開発途中で蔵一つが寂しく建っているだけ・・・とのことだったので、今回のお出かけでは実はノーマーク物件でした。ちょっと得した気分で美術館帰りに途中下車。でも、これが意外に意外、この地方の伝統と自然、そしてスタイリッシュなデザインが一体化した素敵な建築でした。                          

                    

Chokura6 ちょっ蔵広場には、「ちょっ蔵ホール」と「商工会館」そして「多目的展示場」の3つの建物があります。左の写真はもともとあった蔵を曳家をして保存活用した「ちょっ蔵ホール」です。曳家とは、建物を解体することなく形を維持したままで移動させることを言います。ラッセ・ハルストレムの映画「シッピングニュース」で主人公が後々住むことになる家を祖先のバイキング達が厳しい雪と氷の中、家を丸ごと移動させる印象的なシーンがありましたが、まさしく曳家の作業ですね。                             

                                          

Chokura1  ちょっ蔵ホールのエントランス。網目状のファサードから漏れて来る光が木漏れ日のようでキレイです。                             

                                                       

                                                        

Chokura2   多目的展示場。地元産の大谷石を同じく網目状に積み上げたファサード。伝統的な素材による幾何学模様のルーバーが美しいです。大谷石と書いて、オオヤイシと読みます。大谷石は宇都宮の丘陵や山麓から産出される緑色の凝灰岩で、この辺りの地方ではこの石を積みあげた蔵が今でも普通に点在しています。日本でヴァナキュラー建築と言えば白川郷や京都嵯峨野に残るような茅葺や竹で吹かれたものを想像するのですが、石の建造物は珍しいのではないでしょうか。日本独特の蔵の形状と西洋ムードの漂う個性的な色を持つ大谷石の組み合わせは、少し衝撃的でした。                                                              

                           

Chokura7  多目的展示場の中はこんな感じ。                                                                               

                                                       

                                                  

                                                                         

Chokura3_1  多目的展示場の入り口。展示室と展示室のルーバーの間には少し光沢のある白い材質のものが貼ってありますが、何かはわかりませんでした。                                  

                                                  

                                      

Chokura4  展示室と展示室の間のホール。カッコイイです。広重美術館もそうでしたが、周囲の自然を額縁の中に切り取って建物の体内に取り込んでしまうような感じです。

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隈 研吾に夢中(馬頭広重美術館)

Hiro1_4 隈 研吾の馬頭広重美術館に行ってきました。東京から栃木県氏家まで電車で2時間強、氏家から美術館まではさらにバスで約50分。あまりにも遠い。こんな思いをしてまで来なければいけないのか・・・と疑問も頭を掠めるのだけれど、来ないといけないのです。やっとの思いで到着すると、そこには広重の雨を想うようなはかなくそれでいてキリリとした美術館の姿がそこにあります。                               

                                                                

                                                      

Hiro2_3 屋根も壁も地元の八溝杉で覆われています。中の透けるような風合いが、和紙のような自然な軽い風情を醸し出しています。                                                              

                                                      

                                         

Hiro3 美術館のレストランから見上げた天井。消防法で屋根には可燃性の素材を用いてはいけないらしく、杉には特殊な不燃処理を施しているのだとか。                                    

                                                 

                                    

Hiro4 エントランス、左の壁は地元産の鳥山和紙。床に明かりが仕込まれていて、ぼんやりと光る様子が美しい。                        

                                                  

                                                               

Hiro5 床の石材。これも地元産芦野石。まるで和紙のような優しい風合いで、壁材との調和が実に素晴らしい・・・。隈 研吾は地元の自然な素材を使うのが非常に上手い建築家のようです。                                                        

                                            

                                   

Hiro6 私が行った3月初旬は丁度竹の新緑美しい季節でした。この美術館のコレクションは、歌川広重の肉筆画を中心に幕末・明治期の浮世絵版画があるようです。当時と現在の東京を比べながら見るのも楽しいかもしれません。

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